政府がいまの国会に提出予定の裁判のやり直しに関する法律の改正案をめぐり、自民党内で異論が相次いでいます。何が問題となっているのでしょうか。
刑事裁判の再審=裁判のやり直しに関する制度を見直す法律の改正案について議論する自民党の会議。怒号が飛び交ったのは、おとといのことでした。
自民党 稲田朋美 元政調会長
「マスコミが退出するまでに私、一言、言わせてもらいたいんですよ。何も1ミリもね、私たちが言うこと聞かないじゃないですか。抗告の禁止、ここで発言した議員、議員が発言した全て、ほとんど全てが抗告禁止じゃないですか。ほとんどの議員が抗告禁止って言っているにもかかわらず、それを全く無視をしている」
法案をめぐって、稲田元政調会長が「無視されている」と声をあげた理由。裁判所が再審の開始を決定した場合に、検察官が不服を申し立てる「抗告」をめぐって、意見が対立しているためです。
政府が検討している改正案では、検察による抗告を認めていますが、稲田氏ら一部の議員は「審理の長期化につながる」などとして、禁止するよう求めているのです。
いまの仕組みでは、地裁が再審開始を決定しても、検察が抗告した場合、高裁で改めて審理することになっています。
さらに高裁が再審を支持しても、検察は再び抗告することができ、今度は最高裁へ。最高裁が再審を支持して、ようやくやり直しの裁判が始まることになります。
先月、自民党の会議に招かれたのは、1966年に静岡県で起きた殺人事件で再審無罪となった袴田巌さんの姉・ひで子さん(93)。
袴田さんの場合、2014年に裁判のやり直しが決定しましたが、検察が不服申し立てしたことで裁判のやり直しを認めるかどうかの審理が続き、再審公判が始まるまでには9年かかりました。
袴田巌さんの姉 袴田ひで子さん
「私達の常識と法務省の常識とは違うんですね。このままの法律だと、冤罪被害者は救われません。巌だけ助かればいいと思ってない、私は。冤罪被害者は大勢いらっしゃいます。その人たちも助けないと。人間だから皆さんわかるでしょ」
意見の隔たりが埋まらないなか、きのう、自民党の鈴木前法務大臣は法務省に対し、法案の修正を含め検討するよう求めました。
一致点を見出すことは出来るのか。自民党での議論は、あすも行われる予定です。
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