来年度から『7つのがん』が医療費の助成対象に追加される見込みとなった被爆体験者事業について、被爆者認定を求める当事者らは「これで葬られてしまう」と焦りと不満を募らせています。

全国被爆体験者協議会 平野 伸人相談役:
「きょうも1人(被爆体験者が)亡くなった。“時間との勝負”というのは、本当に切実になってきている」

長崎市に対し、解決に向けた国への働きかけを求めました。

“被爆体験者”は、国が定める被爆地域の外にいたため、被爆者と認められていない人たちです。

原爆放射線の影響はないとされる一方、被爆を体験したことによる『精神疾患』と『合併症』には医療費が支給されており、国は今月、この対象に『7つのがん』を追加する方針を示しました。

爆心地から約8キロ旧矢上村にいた被爆体験者 濵田 武男さん:
「(がんの追加は)ひとつも嬉しくありません。これで我々葬られるんだと」

広島では爆心地から30キロ圏内にいて黒い雨にあった人が被爆者と認められており、体験者は“広島と同様の救済”を求めています。

爆心地から約9キロ旧古賀村にいた松田 宗伍さん:
「がんの7種類(の追加)で飴を舐めさせとこうとしている」

爆心地から約9キロの旧古賀村にいた松田 ムツエさん:
「広島と同じような取り扱いをしてもらいたいと本当に思う」

県と長崎市はことし7月、被爆体験者を救済しない国の考えに反論する報告書を提出していますが、5か月が過ぎた今も国は「検討中」としています。