特殊詐欺などで得た違法な収益のマネーロンダリング対策について、警察庁はきょう(8日)、不正な口座譲渡の罰則強化や、「送金バイト」への罰則導入などを盛り込んだ検討会の報告書を公表しました。
警察庁によりますと、2024年の特殊詐欺と「SNS型投資・ロマンス詐欺」の被害額はあわせておよそ2000億円にのぼり、依然として深刻な状況が続いています。
こうした特殊詐欺の背後には、警察庁が治安上の脅威と位置づける「匿名・流動型犯罪グループ」の関与がみられ、他人名義の口座を悪用し、だまし取った金のマネーロンダリングをしている実態が確認されているということです。
対策に向け、警察庁は去年9月に有識者を交えた検討会を設置。きょう、その報告書を公表しました。
報告書では、被害金の入金に悪用される不正な口座の譲渡について、現行の「1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金」などとしている法定刑を引き上げる罰則の強化が盛り込まれました。
警察庁によりますと、2024年の犯罪収益移転防止法に基づく不正な口座譲渡の摘発件数は4362件。現行の法定刑に引き上げられた2011年からおよそ3.5倍に増加していて、さらなる厳罰化による抑止が必要だと求めました。
さらに、近年増加している「送金バイト」と呼ばれる新たな手口への対応も盛り込まれました。
これは、SNSで募集された「送金代行」に応じた人の口座に特殊詐欺などの被害金を振り込み、指示した口座に移動させる行為です。
現行の犯罪収益移転防止法では直接罪に問うことはできず、組織犯罪処罰法(犯罪収益隠匿)を適用しようとしても、移動させた資金が犯罪による収益との認識が本人になければ立証は困難だとされています。
こうした状況を受け、報告書では、報酬と引き換えに被害金を指定された口座に移す「送金バイト」に対する罰則の導入が必要だと提言しました。
また、口座の悪用を防止するため、金融機関と捜査機関が管理する「架空名義口座」を利用した新たな捜査手法が有効な対策だと示しました。この捜査は、実在しない人物の名義の「架空名義口座」をSNSで知り合った犯罪グループに渡し、資金の流れを追跡し実行役や指示役の摘発につなげる狙いがあります。犯罪グループから被害金が入金された時点で口座を凍結し、違法収益の流出を防止するということです。
入金された被害金は速やかに被害者に返還されますが、被害者が特定できない場合はほかの被害者への給付金や、各都道府県での犯罪被害者支援の経費に充てる方向で検討すべきだとしています。
警察庁は、次の通常国会で犯罪収益移転防止法の改正案の提出を目指す方針です。
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