法律事務所の人物になりすまし、高齢女性から現金200万円をだまし取ったとして、詐欺の罪に問われた元海上自衛官の男の裁判で23日、広島地裁福山支部は拘禁刑3年、執行猶予5年の判決を言い渡しました。

詐欺の罪に問われているのは、元海上自衛官の齊藤統太被告(27)です。判決などによりますと、齊藤被告は9月、複数回にわたり、ほかの複数人とともに、福山市に住む女性(当時82)へ電話し、女性の息子が現金を至急必要としていると思い込ませ、現金200万円をだまし取ったとしています。

広島地裁福山支部の松本英男裁判長は「被告人は犯行当時、多額の借金があったが、病気で休職中であり、金に困って犯行に及んだというが、インターネット上で高収入をうたう『受け子』の募集に自ら応じ、安易に重大犯罪に手を染めており、酌量の余地はない」と指摘。

一方で、被害者との間で分割して被害額の弁償を行うことで被告人を許す旨の合意がなされていること、すでに17万円を支払っていることなどから、「拘禁刑3年・執行猶予5年」の判決を言い渡しました。

松本英男裁判長は宣告後、齊藤被告へ「今回、あなたにとってぎりぎりの判断だったと思ってください。被害者がいることから、被害弁償の合意を守ってください」と語りかけました。