男子生徒の自殺から3年8か月、教育現場のトップが遺族の家を訪問しました。

小学校時代の元担任による不適切な指導が生徒の自殺に影響したとされる問題で、きょう12月13日、熊本市の教育長が遺影に手を合わせました。午後1時すぎ熊本市の遠藤 洋路(えんどう ひろみち)教育長は3年8か月前に自ら命を絶った男子生徒の自宅を訪れ、何度も頭を下げました。
熊本市 遠藤洋路 教育長
「こういう風に遅くなってしまい本当に申し訳ないと思っています」

遠藤教育長は遺影の前に花を手向け40秒ほど手を合わせました。

熊本市 遠藤洋路 教育長
「男子生徒の死を無駄にしないように私たちができるだけのことを精一杯していくという誓いをさせて頂きました」

中学1年の男子生徒の自殺を巡っては、調査した第三者委員会が小学校時代の元担任だった男性教諭による不適切な指導が男子生徒の「抑うつ状態」の重症化に影響した可能性が高いと結論づけていました。

男性教諭は複数の児童に対する体罰や不適切な行為などあわせて42件が認定されていて今月12月2日付けに懲戒免職処分となっています。

教育長が息子の遺影と向き合ったことに両親は…
遺族の母親
「(教育長が)お参りに来てくださったことについては感謝しています」

遺族の父親
「命最優先(の教育)に変わってもらいたい」

このように話し、子どもたちが「安心」して通える学校づくりをしてほしいと訴えました。

また、この約1時間半後、熊本市の大西市長は教育長の任命権者として責任を取るとしました。

大西 一史 熊本市長
「不祥事が相次いだことについて市民の皆さまに深くお詫び申し上げます。大変申し訳ございませんでした」

このように謝罪し、男子生徒が自殺した問題に加え市内の2つの小学校で盗撮やわいせつ行為が起きた責任を取るとし自らと遠藤教育長、そして副市長の給与を減額する条例案を市議会に提出するとしました。

具体的には来年1月からの3か月間市長・教育長が20パーセント減額、2人の副市長が10パーセント減額するとしています。
※今、悩みを抱えているという方は、相談窓口「日本いのちの電話」があります。
厚生労働省のホームページでも紹介されています。
日本いのちの電話
・フリーダイヤル 0120-783-556(なやみ こころ)
毎日:午後4時~午後9時
毎月10日:午前8時~翌日午前8時
・ナビダイヤル 0570-783-556
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