産業の中枢を担うものを経済⽤語で“産業のコメ”という。⾼度経済成⻑期は「鉄鋼」を指していたが、デジタル化が加速する今、主役は「半導体」だ。
近年、地球規模で取り組まれている脱炭素や省エネルギーといった課題解決のカギを握るのも、実は半導体。半導体の進化によって、「デジタル化」による社会発展と「脱炭素化」による地球環境の保全が両⽴した「デジタル×グリーン」の世界に近づくことが期待されている。
2024年に初めて6,000億⽶ドルを超えた半導体市場(※)は、2030年には1兆⽶ドル規模に達するとも予測されている。この爆発的な市場拡⼤を⽀えるのが、半導体の製造技術の進化。東京エレクトロン(以下、TEL)は、技術⾰新や持続可能な社会の根幹を⽀える「半導体製造装置」業界におけるリーディングカンパニーだ。
(※)世界半導体市場統計より
世界をリードする技術⼒とグローバル戦略

TELの強みは、あらゆる半導体製造⼯程で世界トップシェアを誇り、他社を圧倒していること。しかもそのうち、最先端の半導体製造⼯程の⼀つで使われる装置においては、なんとシェア100%。半導体製造装置業界トップの約2万5,000件(2025 年3⽉末時点)もの特許を保有していて、“TELの装置を通らない先端半導体はない”と⾔われるほどだ。
それを支えるのは、世界最高峰ともいわれる「技術力」。すでに業界をけん引しながらも、河合利樹社⻑は「長期的な成⻑を⽬指す上で最も重要視していること」として、「世界をリードする技術⾰新⼒を持ち続けること」と述べるほど、さらなる進化に余念がない。
製造・開発拠点への積極的な投資も継続し、今年4⽉、東京エレクトロン宮城の本社⼯場(宮城県⼤和町)の敷地内に、最先端の開発を⾏う「第3開発棟」が完成。AIの進化などで⾼度化、複雑化する半導体製造技術に対応していく。
さらに半導体市場の急速な需要拡大に対応しようと、新たな⽣産棟(2027年竣⼯予定)の建設も進め、⽣産能⼒を⼤幅に強化する計画だ。

世界18の国と地域に拠点を置くTEL。グローバル展開も加速させていて、インドを将来有望なマーケットとして捉え、投資を進めている。2026年にインドのGDP成⻑率が年率6.4%に達すると予測されていることを念頭に、河合社⻑は「インフラ整備において半導体の重要性が⾼まる」と⾒込む。2025年、⽇本政府とインドは、半導体供給網の強靭化や経済安全保障で協⼒を強化する新たな枠組み「経済安全イニシアチブ」の創設で合意している。
挑戦を⽀える TEL のバリューと共鳴するクイーンズ駅伝
⾼い技術⼒とグローバルな戦略に加え、従業員⼀⼈ひとりの「やる気」を重視した「やる気重視経営」を推進し、⾶躍を続けるTEL。その根幹にあるのが、社員が変化の激しい環境にも柔軟に対応し、挑戦し続けるための⾏動規範「TEL Values」だ。
「TEL Values」は、「誇り」「チャレンジ」「オーナーシップ(主体性)」「チームワーク」「⾃覚」という5つの価値観から構成されている。
TELが2010年から特別協賛している「クイーンズ駅伝」(2025年は11⽉23⽇開催)は、この「TEL Values」と深く結びついている。ランナーが⾃らの⼒を出し切る姿には「誇り」「チャレンジ」「オーナーシップ」が体現されており、タスキをつなぐチーム全体の⼒は「チームワーク」を象徴している。まさに「TEL Values」をスポーツを通じて体現する⼤会といえる。
グローバルな技術競争の最前線に⽴ちながら、確固たる⾏動規範と地域社会との絆を⼤切にする東京エレクトロン。その挑戦は、⽇本のものづくりを世界の舞台で⼀層輝かせる未来を形作っていくことだろう。