ゲーム感覚でビジネスモデルの設計や資金調達といった「起業」を疑似体験できる教育プログラムがあります。「アントレクエスト」というもので、きのう(21日)岡山大学で小学生から大学生までの約30人が挑戦しました。

(参加者)
「コストだけかかって赤字でした。商売ってWin-Winの関係じゃない?」
(参加者
「1年で7万円は安くない?市場規模と合っていないですね」

きのう岡山県内で初めて開かれた「アントレクエスト」。ビジネス用語で「起業家」を意味する「アントレプレナー」から名づけられた教育プログラムです。目まぐるしく変化する時代に創造性や自己表現力を養ってほしいと、開発した企業のArmoryが、岡山大学や岡山理科大学と開いたものです。

(Armory 福永祐作代表)
「起業というのはテーマになっているんですけど、起業してほしいというよりもプロセスを通して、新しい挑戦や自分の好きなことに向上心を持って挑戦することに気づいてほしい」

集まったのは小学生から大学生までの約30人。即席でチームを作り、起業の過程で必要なミッションを達成していく、ロールプレイング方式の学習方法です。まず行われたのが課題の設定。何を目的に起業するのかをチームで考えます。
(大学2年生)
「朝起きれない人。夜寝られない人向けにどうやって早く寝させるか、どうやって早く起きさせるかを考えている」

次に、課題解決のためのビジネスモデルを設計。事業計画書を作って、融資を求めます。その相手は現役の銀行員。このチームが提案したのは朝起きられない人向けのスマートウォッチの開発・販売です。
(高校2年生)
「ボタンを押してから50歩歩いたらタスクが完了となります。もしこの際に起きられなかった場合は、50円、自分の銀行口座から引き落とされる仕組みになります」
一方、起床できた場合にはポイントが還元されるというこのスマートウォッチ。1本5000円で100本売る販売計画です。
(大学1年生)
「資金を調達させてほしい額は44万5000円です」

融資を受けると最後は買い手へのプレゼンです。合計100万円の市場の中で5つのチームが競いながら商品を売っていきます。農家などで、廃棄される食材を使った「フードロス削減弁当」の製造・販売や、転売を防止するための人物認証アプリの開発・販売など。それぞれがユニークな提案をしました。中には完売したチームも。
(参加者)
「完売です」
「嬉しいです」
目覚ましスマートウォッチのチームも積極的に売り込みます。
(買い手)
「5000円は安いような気がするけど・・」
(売り手)
「朝に投資しなくてどこに投資するんですか」
50万円売り上げ、5万5000円の利益を得る計画でしたが、22万円分しか売れず22万5000円の赤字になりました。小学生から大学生までが協力して会社を作る。参加者は起業体験を通して大きな学びを得たようです。
(高校2年生)
「あまり体験したことがないことばかりだったのでいい経験になった。高校では経済系を学んでいるので、資金調達のときが楽しかったです」
(高校1年生)
「起業を考えていて経験を積んでみようかなと参加した。いろんな視点から課題解決に向けて頑張ったので、それを生かしていけるのではないかなと」
自ら問いを立て仲間と議論し、伝える力を身に付ける。未来を担う若者たちの新しい学習方法です。