去年8月に「南海トラフ地震臨時情報」が初めて発表されてからの1年間を振り返って、南海トラフ地震評価検討会の平田直会長は、臨時情報の存在が国民に広く知られるようになったとして、「一つの進歩だと思う」と評価しました。

去年8月8日、日向灘でマグニチュード7.1の地震が発生したことをきっかけに、気象庁は「南海トラフ地震臨時情報」を初めて発表し、巨大地震の発生する可能性が普段よりも高まっているとして、国はおよそ1週間、地震の備えを再確認することなど特別な注意の呼びかけを行いました。

地震の評価を行った南海トラフ地震評価検討会の平田直会長は、あす、初の発表からちょうど1年を迎えるにあたって、当時は臨時情報を知っている人の方がはるかに少なかったと振り返った上で、次のように話しました。

南海トラフ地震評価検討会 平田直 会長
「少なくとも情報が出たことによって、この南海トラフ(地震)についての特別な情報、臨時情報が出ることを広く皆さんに知っていただいたこと、これは一つの進歩だと思います」

平田会長はまた、南海トラフ地震の発生する可能性は普段から高く、「巨大地震注意」や「巨大地震警戒」の臨時情報が発表された場合には、その可能性がさらに何倍も高くなることについて、国民の理解が比較的進んだのではないかとの感想を述べました。