各世代のトップ選手を育成し、世界に送り出す本部高校ウエイトリフティング部。ここで2年前から練習に励む小学生がいます。

本部小6年の天久愛音です。

――どうですか取材は?
▼天久愛音選手

「まだ緊張しています」

▼本部高2年 比嘉功選手
「(愛音選手は)緊張しかしていないですね(笑)全然違います」

▼本部中3年 比嘉歩選手
「笑っているので精一杯みたいな感じじゃないですか、インタビューもあまり(経験が)ないと思うので」

初めての取材で、緊張した様子の12歳は、去年の全国小学生交流大会で自身初の日本一に。

▼天久愛音選手
「1位になれてそれが初めてだったのでうれしかったです」

愛音は幼いころからウエイトリフティングが身近にありました。その理由は、兄の存在です。先月は日本高校記録を樹立、世界ユース選手権では5位入賞を果たした
本部高校2年、兄・天久星七。

▼天久愛音選手
「お兄ちゃんのやっぱり成績を超えたい、ちょっと負けたくないみたいな気持ちが強いです」

兄をライバル視して練習に励む愛音。そんな兄妹の関係を指導する比嘉敏彦監督は…。

▼比嘉敏彦監督
「まあよくケンカするので、お兄ちゃんを絶対超えてやるというのもあると思います」

――お兄ちゃんとケンカする?
▼天久愛音選手
「はい、よくします(笑)。ペットボトルが例えばあったら、捨ててきてとか」
▼兄・天久星七選手
「いや、全然、そんなことないです(笑)。練習に関しては自分が同じ年だったときより頑張っていてすごいと思います」
▼天久愛音選手
「うん、いつと違うお兄ちゃんです(笑)」

そんな、世界で活躍する兄と切磋琢磨する愛音ですが、まだ小学生の今、練習は、けがをしないよう軽い重量でフォーム作りが中心です。それでも試合では、自身の体重(35キロ)を超えるスナッチ37キロ、クリーン&ジャーク43キロに成功しています。

▼比嘉敏彦監督
「自分の体重ですよ、普通はありえないですよ。筋肉の『き』もないんですから。お兄ちゃん、しっかり頑張っておかないとやばいですよ。愛音はモンスターだよ(笑)」

愛音は、競技を本格的に始めた2年前から、もう一人、目標にする存在がいると語っていました。

▼天久愛音選手(当時小学4年)
「大きくなったら成姉ちゃんみたいに活躍したい」

55キロ級スナッチの日本記録保持者で、3年後のロスオリンピックを目指す、名桜大学2年の比嘉成です。

比嘉成選手
「妹ができました(笑)。小さい頃からお兄ちゃんを見ていて、試合も見ていたので飲み込みが早くて、最初からできていたので。見ている力ってすごいなって」

競技のアドバイスをもらい、成を姉のような慕ってきた愛音。

▼天久愛音選手
「憧れの存在です。成姉ちゃんがやっぱり世界大会、国際大会に出て活躍しているところとか、日本で一番のところとか、やっぱりそういうところに魅力を感じます」

▼比嘉敏彦監督
「やっぱり先輩たちがこれだけやっているので、自分もうちょっとやらないといけないんだみたいな感じになってくるので、でも今の記録もとんでもない記録をやっている。(やりすぎる練習を)止めるのも大変ですね」

今、競技が楽しいと語る愛音。

▼天久愛音選手
「オリンピックに出て金メダルを取れるような選手になりたいです」

兄や、姉のような存在を追いかけて―。世界を目指します。