政府はきょう、年金制度改革の法案を閣議決定しました。ただ、当初予定されていた就職氷河期世代を支援する内容は盛り込まれず、当事者からは失望の声が広がっています。
けさ行われた閣議。提出が遅れていた年金制度の改革法案がようやく決定されました。
法案は、パートで働く人が厚生年金に加入しやすくなるよう、「年収106万円の壁」と呼ばれる年収要件を撤廃し、将来受け取る年金額を手厚くすることなどが柱です。
厚労省が去年発表した財政検証では、「年金水準は30年後、現在より2割低下の見通し」で、政府は当初、低年金のおそれがある就職氷河期世代などを救済しようと、「基礎年金」を底上げする方針でした。
しかし、財源として会社員らが加入する「厚生年金」の積立金を活用することに自民党内から「流用だ」との批判が相次いだため、この内容は削除されました。
これについて、野党からは。
国民民主党 榛葉賀津也 幹事長
「選挙を意識して中身がない法案になるのか、就職氷河期の皆さんの年金の底上げをはかれるように注視していきたい」
就職氷河期世代は厚生年金に入っていない期間が長い人も多いことなどから、他の世代に比べ、将来もらえる年金額は低くなるとみられています。
こうした状況に、当事者達は。
50代 会社員
「一番損な世代だと思います。就職してすぐにバブルが弾けちゃって、お給料も上がり幅も低いし」
「新入社員が初任給で30万円だ、35万円だというのが、結局そこ(初任給)であげられて、僕らの中間の氷河期時代の人達が全然給料のベースアップが無い」
当時、就職活動が思うようにいかなかったという人も。
40代 個人事業主
「自分は就職できなかったので、(今は)デリバリーとか。普通にやっていたら自分は(貯金)できない。(年金制度を)そんなに正直あてにしていない」
立憲民主党の野田代表は徹底して議論する構えです。
立憲民主党 野田佳彦 代表
「基礎年金の底上げの部分が抜けてるということで、『あんこの入ってないあんぱん』。あんこが入るようなね、逆に修正を我々は求めていきたい」
会期末まで残り1か月と迫る中、年金をめぐる与野党の激しい論戦が予想されます。
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