ハマチ養殖発祥の地、香川県東かがわ市で新たな産業をと、2年前から取り組んできたカキの養殖が軌道に乗り、販売にこぎつけました。IoT=インターネット技術を活用した「スマート養殖」です。きょう(14日)試食会が行われました。

IoTを活用して養殖したカキです。重さ約50グラム。成長が早く、生でも食べられるなど品質が良いのが特徴です。

ハマチ養殖発祥の地、東かがわ市の安戸池です。デジタル技術を使って地方の課題を解決しようと、おととし(2023年)から国の交付金を活用してカキの「スマート養殖」に取り組んできました。水温や塩分などのデータをセンサーで収集・解析すると、アプリが最適な作業とタイミングを提案します。初心者でも効率的な養殖が行えるというものです。

(東かがわ市 戦略情報課 寺西康博さん)
「もう一度このカキ養殖という新しいチャレンジを通じて、さらに新しい産業を作り出していくんだというような流れにしていきたい」

安戸池でできた海のミルクという意味で、“アドミルク”と名付けました。試行錯誤を重ね、販売ができるまでにこぎつけました。

(茅原淳記者)
「身が詰まっていてミルキーでとてもおいしいです」

スマート養殖は、高齢化で沖に出ることが難しくなった漁業者の新たな仕事としても期待されています。

(引田漁協 網本昌登代表理事組合長)
「雇用の促進。漁家の所得の向上いうのがまず一番の問題でした。それを、まずこれならクリアできるかなとやっと販売にこぎつけたんで、これから本当にドキドキワクワクが止まらない感じです」

池田知事も試食しました。

(池田豊人香川県知事)
「磯の香りが」
「これからIoT使ってということでね。引田のカキ、安戸池のカキがブランドになればいいなと」

“アドミルク”は、安戸池に隣接する食堂「ワーサン亭」で、あす(15日)から土日限定で提供が始まります。まずは5月まで、一月1000個ほどを販売する予定で、持続可能な水産業を目指します。