ノーベル平和賞の授賞式があったノルウェー・オスロで10日、日本被団協の受賞を称えるトーチパレードが行われ、亡くなった被爆者などおよそ130人が映るパネルが掲げられました。
記者
「気温が氷点下になっているオスロ中心部です。トーチに灯された数え切れないほどの炎が、通りを埋め尽くしています」
氷点下のオスロに灯る、たくさんの炎。集まった人のなかには子ども達の姿もあります。
このトーチライト・パレードは、現地の平和団体が主催する伝統的な催しで、現地時間10日午後、海沿いにある「ノーベル平和センター」の前を出発しました。
日本被団協の代表団からは、栗原淑江さん(77)も参加し、ともに活動し亡くなった被爆者らのパネルを手に、800メートルほどの道のりを行進しました。
このパネルは日本から持参したもので、131人の顔写真が7枚のパネルに載せられています。
日本被団協 栗原淑江 元事務局員
「先人たちの活動があって初めて今回の受賞があったと思うので、本当だったら一緒に喜び合いたかった仲間と一緒に歩きたいし、お祝いしたい」
記者
「クリスマスマーケットの横をパレードが通過していきます。まもなく受賞者が宿泊するホテル、終着点に到着します」
パレードの終着点は、受賞者らが泊まる「グランドホテル」です。
記者
「田中熙巳さんら代表委員3人がバルコニーから出てきました。にこやかな笑顔で手を振っています。横断幕を掲げています。折り鶴が見えます」
晩餐会を控えた代表委員3人がタキシード姿で現れると、一帯に歓声があがり「ノー・モア・ウォー」などと叫ぶ人の姿もありました。
パレードには多くの若者も参加していました。
ノルウェー在住(15)
「私たちの世代のために立ち向かう人たちがこれだけいるのは、本当に素晴らしい」
ノルウェー在住(25)
「(受賞決定まで)日本被団協は知らなかったけど、『HIBAKUSHA』という言葉は聞いたことがあった。(演説を聞き)核兵器に反対する運動は大変なのだと知った。被害者なのに差別も受けてきた。自分たちの声を届けるため、戦い続けなければならない」
11日は関連行事のほか、被爆者らが分かれて高校や大学で証言を行い、広く核兵器の廃絶を訴えます。
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