きょうから今の健康保険証の新たな発行が停止され、最長1年間の猶予期間を経て「マイナ保険証」へと移行されます。ただ、医療現場からは今の保険証の存続を求める声が上がっています。一体、なぜなのでしょうか。
東京都内のクリニック。この週末、受付の様子を見てみると「マイナ保険証」を利用する人の姿が。
60代女性(マイナ保険証を初めて利用)
「お店でよくクレジットカードを出すのと同じような感じなのかなと思いました。そんなに難しい工程でもなかった」
午前中に受診した54人中、マイナ保険証を利用したのは10人。利用していない人の多くも、今後はマイナ保険証に切り替えることを検討していると話します。
ただ、こんな出来事も。
いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長
「トラブル発生ですね。高成の『高(はしごだか)』が赤丸で表示されている」
女性の名字はパソコン画面には正しく表示されていません。
このクリニックでは、3年以上前からマイナ保険証のシステムを導入していますが、一定の頻度でトラブルが起きる状況が続いているといいます。
いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長
「初期だからって言うには、あまりにも時間が経っているんですね。様々な機器の不具合によるデメリットとリスクの方が大きくて、メリットは今のところ残念ながらほとんど感じられない。これやっぱり医療側の現状です」
政府はなぜ、「マイナ保険証」への移行を急ぐのでしょうか。
平将明デジタル大臣
「不正をしようと思う人から見ると不正しやすい環境にあるので、これやっぱり穴をふさぐべきだと思っています」
今の保険証は顔写真がなく、なりすましや使い回しが起きていると指摘。また、「マイナ保険証」の導入で医療費の抑制に繋がるほか、救急搬送の際に受診歴などの情報を把握することでスムーズな医療活動につながるなど、利用者側にもメリットがあると強調します。
ただ、伊藤医師は混乱を防ぐためにもしばらくの間、今の保険証を併用するほうが現実的だと話します。
いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長
「(健康保険証新規発行が停止される)12月2日から急にマイナ保険証の精度が上がるとはとても思えなくて、混み合ったりトラブルが増える可能性が高くなるので、保険証であったり、資格確認書であったりとか資格のお知らせ、こういった紙ベースのものを持ってきてもらうというのが一番安心です」
政府はマイナンバーカードを持たない人には保険証代わりとなる「資格確認書」を届けるなど、「確実に保険診療が受けられるよう対応していく」と強調していますが、医療現場に混乱が生じない対策が求められます。
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