みなさんは「腸活」していますか?
近ごろ、よく耳にするようになった「腸活」。食生活や生活習慣などを見直すことによって、腸の持つ本来の力を取り戻すことを指している。「腸活」にまつわる数多くの関連商品が発売されているほか、著名人やインフルエンサーらがSNSで発信するなど巷には情報があふれ、いまや空前の「腸活ブーム」だ。
そんな中、老舗製薬会社の大正製薬が、森永乳業とタッグを組んで新たな腸活の取り組み「Bkins(ビーキンズ)」をスタートさせた。
一体どんな取り組みなのか・・・大正製薬の宍戸正臣マーケティング本部長に聞いた。
■老舗製薬会社が注目する『腸』と『健康』
1912年創業の大正製薬。これまで「ファイト イッパーツ!」でおなじみ「リポビタンD」に、かぜ薬の「パブロン」、 日本初の育毛剤「リアップ」など、長きに渡り生活者一人ひとりの健康に寄り添った製品を展開してきた。
そして今、自分の健康を自分で守る、いわゆる“セルフメディケーション”を積極的に推進していて、そのひとつとして大正製薬が注目しているのが『腸』だ。
大正製薬株式会社 宍戸正臣 マーケティング本部長
「ウェルネス(=みんなが笑顔で健康に毎日暮らせる)という発想をとても大事にしていて、健康寿命を延ばす上でも、腸内環境は最も注目すべき領域だと思っている」

事実、最近の研究では「健康で長生きしている人たちの腸内細菌には、圧倒的にビフィズス菌などの善玉菌が多い」という結果が出ている。遺伝子解析技術が進歩したことで、これまで未知な部分が多かった腸内細菌と健康長寿が密接に関係していることが分かってきたのだ。
■ビフィズス菌のリーディングカンパニー2社がタッグ 「Bkins」始動
今回打ち出した「Bkins」は、大正製薬単独での取り組みではない。
手を組んだのは、ビフィズス菌研究でリードし「ビヒダス」ブランドなどを展開する「森永乳業」。
ビフィズス菌という1つの素材に惚れた2社の「素材の良さを本当に世の中に届けるにはどうしたらいいか」という思いが合致し、このタッグが生まれたという。
宍戸さん
「今は独占的に何かをやっていくっていう時代ではなく、食品の森永乳業と製薬の大正製薬がしっかり手を組むことにものすごく意味がある。それぞれの強みを生かしながら、正しい情報を世の中に広めていきたい」
日々の食事や身近なトレンドと、腸活およびビフィズス菌の関わりを表現しながら、ビフィズス菌摂取の大切さに関する情報を発信する啓発プロジェクト「Bkins」。キーメッセージは“腸活するならビフィズス菌”だ。

■腸活の第一歩 腸のことを知ろう
「腸活」において、今最も注目されているのは大腸の働きだ。
便をつくり、不要なものを体の外へ排泄する役割がある大腸には数100種類、約40兆個もの細菌が生息。そのバランスは、「善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割」が理想的といわれている。(※日和見菌=腸内の善玉菌・悪玉菌の優勢な方に味方する菌のこと)

しかしそのバランスを保つのは難しく、食生活の乱れや、運動不足、睡眠不足、ストレスなど、ちょっとしたことで乱れてしまう。
そんな腸内環境を整えるカギとなるのが“善玉菌”で、その代表格がビフィズス菌と乳酸菌だ。どちらも整腸作用があることで知られているが、実は、腸内での居場所や働き方が大きく異なる。
宍戸さん
「昔は広義の意味でビフィズス菌も乳酸菌も合わせて乳酸菌と呼ばれていましたが、 近年、菌の研究が進んだことで、両者は明確に違うものという認識に変わり始めました」


乳酸菌が小腸にすみつく一方、ビフィズス菌は体調を左右する大腸で活動する。
あまり知られていないが、実は大腸におけるビフィズス菌と乳酸菌の割合は
99.9:0.1と圧倒的にビフィズス菌が多くを占めている。ビフィズス菌は大腸で酢酸を多く作るのが特徴で、その酢酸の働きによって腸内の悪玉菌が減って善玉菌が生きやすい環境になる。
つまりBkinsのキーメッセージ「腸活するならビフィズス菌」に繋がるのだ。
■年齢とともに減少するビフィズス菌 課題は「20代へのアプローチ」
プロジェクト発足に先立ち行われた「20~60代の男女を対象とした調査」では、ビフィズス菌の認知率が 84.9%に上った。
一方で、ビフィズス菌の特徴を理解している人は 4割程度という結果に。

中でも、20代の理解率は 32.0%にとどまり、年代別で最下位だった。
ビフィズス菌は、年齢とともに減少していくことが明らかになっている。
宍戸さんは 「腸活に励むのは早いに越したことはない」とし、「腸活への意識が低い20代に腸内環境を整える大切さを今まで以上に自分事として捉えてもらえるよう、プロジェクトを通じて有益な情報を発信していきたい」と意気込む。
■SNSで20代への浸透をはかる
では、そもそも腸活への興味や関心が薄い若年層にどう発信したらいいのか。
宍戸さんらは、“美容”や“ボディメイク”などへの関心の高まりに着目。それらをきっかけにビフィズス菌摂取の大切さを知ってもらおうと、20代に親和性の高いSNSでの普及活動に力を入れた。
宍戸さん
「タレントの中川翔子さんのYouTubeでは、『意外と知らないビフィズス菌の大切さ』について視聴者と同じ目線で学んでいくスタイルで展開。他にも、ボディービルダーでありトレーナーの山本義徳さんには、『筋肉と腸内環境の必要性』を。ダイエット情報を発信しYouTubeの登録者数100万人超のトレぴなさんは、『ダイエットの落とし穴』という形でダイエットしてもあまり効果が出ない方に、ビフィズス菌で腸内環境を改善することの大切さを語ってもらった」
コメント欄には「わかりやすい!」「参考になった!」といった声が多く寄せられていて、美容やボディメイクに『腸活』は欠かせないものという意識が根付きつつある。

最後に、宍戸さんに「Bkins」を通して目指す世界を聞くと、大正製薬が叶えたい未来が見えてきた。
宍戸さん
「生活者の皆さんが情報に触れたとき、自分で判断できること。つまり、セルフメディケーションができることが目標。日本人の健康寿命が延び、社会保障費が減れば、国にとっても皆さんにとってもいいことじゃないですか」
そう話し、微笑む宍戸さん。
10年、20年、その先の未来を見据えたこの一歩が浸透していくことを願って、大正製薬は、“みんなが笑顔で健康に毎日暮らせる”=ウェルネスを強化する歩みを止めない。
大正製薬株式会社「腸活ナビ」:https://brand.taisho.co.jp/contents/chokatsu/