2024年11月に市制施行70周年を迎える神奈川県相模原市が記念動画を公開した。相模原市が地元の注目ラッパーgable(ゲイブル)がラップに乗せて同市の魅力を探るスタイルで、鮮烈な印象を残す動画に仕上がっている。ダンサーには、世界大会Showstopper FINAL で2度の優勝を果たした一条未悠を起用するなど、話題の人物も動画を盛り上げる。
同市の本村賢太郎市長はこの記念動画について「ラップで魅力を伝えることで、未来に向かっていく躍動感を感じ、楽しくなるいい動画。市民のみなさんにも相模原の魅力を再認識していただけるのではないか」と語る。

注目されるのが、地元出身のパリ五輪金メダリスト吉沢恋(ここ)選手(スケートボード女子ストリート)の出演だ。凱旋直後だったにもかかわらず、故郷のために一役買おうと、市のオファーを快諾したという。
スター続々!地元スケートボードパークから世界 へ
吉沢恋選手が幼少期から練習を重ねてきた場所は、2007年にオープンした「小山公園ニュースポーツ広場」。全国に先駆けてつくられた本格的な公共スケートボードパークだ。3000平方メートルの敷地では、自転車競技の一種であるBMXもできるほか、ストリートダンス、3on3バスケットボールができるエリアなども整備されており、相模原市が誇るスポーツ施設の一つとなっている。
「開設当時、アーバンスポーツができる公園は全国でも数が少なかったうえ、自治体が所有しているという点も珍しく、相模原市はその先駆けだった」と本村市長は胸を張る。
身近な場所に本格的な練習場がある、という環境からか、小山公園からはスケートボード界を牽引するトップスケーターが続々と生まれた。


日本女子スケートボーダーの先駆者的存在である藤澤 虹々可(ななか)選手や、スケートボードストリート世界選手権で王者に輝き、パリ五輪にも出場した白井空良(そら)選手も、幼少期からこの公園で練習に励み、世界へと活躍の場を広げた。
“日本のスケボーの聖地”とも言えるこの公園だが、老朽化が進み、白井選手らからも改修の要望があったことから、2024年11月から大がかりな工事に入ることが決定している。およそ1年半かけて改修を行い、2026年3月に再オープン予定だ。
また、相模原市では、2023年7月に市内2か所目となるスケートボードパークを相模原麻溝公園に開設した。こちらは初心者向けに作られており、子供たちにどんどん利用してほしいと本村市長も期待を膨らませている。

相模原市 本村賢太郎市長
「金メダル受賞に、スケートボードパークの拡充・・・、いよいよ相模原ではスケ―トボードが熱くなってきたな、と。もっと裾野が広がってほしいと期待しています」
「スケボーで熱い街」を目指し、新たに壮大なプロジェクトも始動している。
吉沢恋選手との“約束” 「夢COCOプロジェクト」
「もし私が金メダルを獲ったら、屋内スケートボードパークを作ってほしい」
2024年7月、パリ五輪前に行われた地元での壮行会のあと、本村市長は吉沢選手からこう直談判されたという。その後、吉沢選手は宣言通り、見事に金メダルを獲得した。市長の声も弾む。
本村市長
「相模原市生まれ、相模原市在住という金メダリストは初めてで、大変うれしかった。お願いされた屋内スケートボードパークについては、実現に向けて前向きに検討中です。市で新たに“夢COCOプロジェクト”も立ち上げました」
市長肝いりで8月に始動した「夢COCOプロジェクト」。その目的は、レガシーとして吉沢選手の功績を讃えるとともに、後進のアスリート育成への取組を推進することだという。第一歩として、市は新設した「市民栄誉表彰」を吉沢選手に贈ることを考えている。そのほか、東京五輪、パリ五輪で連覇を果たした、金メダリスト堀米雄斗選手の出身地である江東区と連携し、イベントなどを検討中だという。「夢COCOプロジェクト」によって屋内スケートボードパークが誕生すれば、相模原の“スケボー聖地化”は一層加速し、第二、第三の吉沢恋の出現も夢ではない。
また、今年はパラリンピックゴールボールでも、市在住の男子日本代表、萩原直輝選手が史上初の金メダルに輝くなど、相模原在住のスポーツ選手がこの夏、パリで大活躍を見せた。

スポーツで、豊かな人生と地域活性化を
相模原市では、誰もが生涯かけてスポーツに触れ合うことができる環境を目指し、様々なジャンルのスポーツ振興に注力している、と本村市長は力説する。
本村市長
「相模原市を拠点に全国のトップレベルで活躍するスポーツ団体や個人を『ホームタウンチーム』、『ホームタウンアスリート』として認定している」
「ホームタウンチーム」は現在4チームで、男子サッカー「SC相模原」、女子サッカー「ノジマステラ神奈川相模原」、ラグビー「三菱重工相模原ダイナボアーズ」、アメリカンフットボール「ノジマ相模原ライズ」があり、市民が交流イベントなどで憧れの選手と触れ合うことができる。

「ホームタウンアスリート」には、F1ドライバー角田裕毅選手や、プロボクサーで無敗での世界3階級制覇を成し遂げた中谷潤人選手、オリンピックに3大会連続出場の男子飛板飛込の坂井丞選手などが名を連ねており、いずれも市を挙げて応援に取り組んだ結果、街の活性化に大きくつながっているという。
また、2020年の東京五輪では、自転車ロードレース競技のコースを誘致することに成功。自然を生かしたコースが評判を呼び、国内最大規模の自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン」の相模原ステージ開催も実現させた。サイクリングや自転車を活用した「サイクルツーリズム」による地域活性化にも意欲的だ。

「都市と自然のベストミックス」×「子育て支援」➡ 移住ファミリー増
相模原市が元気な理由は、スポーツだけではない。総務省が発表した統計では、2023年の転入超過数は全国第11位と、3年連続で上位にランクイン、なかでも「子育て世代」の流入が年々増えているという。(2023年 総務省統計局 住民基本台帳人口移動報告より)その理由を本村市長はこう分析する。
本村市長
「市内の6割が緑で囲まれ、相模湖や津久井湖など湖が5つもある。キャンプ場も20か所あり、自然環境が整っている。空気もいいしね。一方で橋本駅をはじめ駅の近くには、都市の景観が広がって利便性もすごくいいし、都心への交通アクセスも整っている。かっこよく言うと、うちは『都市と自然のベストミックス』。田舎すぎず都会すぎない街、ここに皆さん魅力を感じてくれるのではないでしょうか」


子育て世代の流入が増え続けるもう一つの理由が、その充実した支援策にあるという。
本村市長
「子育てするなら相模原、お隣の東京都に負けない子育て施策を実施しています。『小児医療費の助成』を、首都圏の政令市で初めて高校生まで拡大しました。中学生までは所得制限なしです。また、『さがみはら休日一時保育』といって、どんな理由でも、例えばご夫妻で映画見に行きたい、趣味の釣りに行きたい、といった理由でもお子様を預かりますよ、という全国的に珍しい保育を実現しています」
すぐ隣は財政面で豊かな東京都。負けじと新たに打ち出したこんな施策も、移住ファミリーのハートをつかんでいる。
本村市長
「プラネタリウムや水族館、スケート場、プールなど15の施設が子どもは無料。そして、令和8年12月からは全ての中学校の完全給食による全員喫食を実施します。隣は財政豊かな東京で、あちらも子育て政策をアピールしていますから、負けられないですよ。相模原で子どもはのびのびと、親にはワクワク感をもって生活してもらいたいです」
本村市長いわく、もっともっと「エッジのきいた子育て支援」の構想を温めているという。次は、どんなうれしいサービスが飛び出してくるのだろうか・・


「リニア開通で都心まで10分!相模原市の未来像とは・・・」
2030年代にはリニア中央新幹線が開通し、橋本駅のすぐそばに神奈川県駅(仮称)が建設中だ。開通すれば都心までわずか10分、抜群の利便性となり、大きく発展することが予想されている。リニア開通に向けての施策構想は、まだ始まったばかりだという。


本村市長
「リニアの神奈川県駅(仮称)から車で1時間圏内には985万人も住んでいます。これは中間の駅としては最多の人数。いかに相模原を利用していただくか、訪れたくなる場所にしていくか、知恵を絞って考え始めています」
市長は、相模原の将来像を、こう語る。
本村市長
「横浜市や川崎市と仲良しなんですけど、僕自身が両市を目標にしている部分もあるので。これをいつか彼らに相模原を目指そうって言ってもらえるような市にしたいなと思っています。併せてもっと“選ばれる街“になるようにシティプロモーションして、しっかり発信していきたい」
2024年11月に市制施行70周年を迎え、新たなスタートを切る。その節目に制作されたラップ動画のリリック(=歌詞)のごとく「70、80、90、100年先まで、未来に向け走り続ける」ことを目指している相模原市。今後の展開が大いに期待される。
【相模原市制施行70周年記念事業・特設ページはこちら↓↓↓】
https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/shisei/1026709/1030059/index.html
問い合わせ先:相模原市 市長公室 シティプロモーション戦略課
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