旧ジャニーズ事務所の性加害問題について、国連人権理事会の専門家が来日し、調査してから1年が経ちました。専門家の一人がJNNの単独インタビューに応じ、被害者への補償の過程が「ブラックボックス」になっていると懸念を示しました。
1年前、国連はジャニー喜多川氏による性加害について専門家を日本に派遣して異例の調査を実施。今年6月には、「救済措置が不十分」などとする調査結果を発表していました。
何が不十分なのか?JNNは調査を行った人権理事会の専門家にインタビューを行いました。
国連人権理事会専門家 ピチャモン・イェオパントン氏
「被害者たちは(補償が)ブラックボックスだと感じています」
被害者への補償について、スマイルアップ社は定期的に支払いを完了した人の数などを公表していますが、補償金額の目安などは明らかにしていません。
被害者はスマイルアップ社と補償の合意を結ぶ際、次のような「守秘義務」を課せられるといいます。
「補償合意書」(一部抜粋)
「(スマイルアップ社側との)質疑内容、その他の賠償金額の算定過程に関する情報及び賠償金額について守秘義務を負う」
補償のプロセスに守秘義務が課されることについて、国連の専門家は…
国連人権理事会専門家 ピチャモン・イェオパントン氏
「守秘義務によって被害者が特に補償プロセスについて、懸念を口にすることを不当に制限されていると感じるかどうか、被害者と相談することが最善の方法だと思います」
スマイルアップ社は取材に対し、この守秘義務について、被害者を誹謗中傷から守るためだとしたうえで、こう主張しています。
「SMILE-UP.」のコメント
「事実と異なる申告・誇張申告に利用されかねない補償手続に関わる事項を、口外することを差し控えていただくようにお願いしております」
被害者は「守秘義務」をどう感じたのでしょうか。
元ジャニーズJr. 二本樹顕理さん
「懸念している面は何に基づいて補償金額が提示されているかが不透明。(被害者の中で)情報共有ができなくなるのはおかしい」
ジャニー喜多川氏による性加害を訴えつづけている二本樹顕理さん。スマイルアップ社とすでに補償について合意していますが、迷いがあったと明かします。
元ジャニーズJr. 二本樹顕理さん
「被害者には基本的に(合意するか)『イエス』か『ノー』しか選択肢がありません。『イエス』ではなく『ノー』の場合はそこから調停や裁判になるのか。長期的になり、心労も多い闘いになる」
専門家も被害者への補償のあり方について、こう訴えます。
国連人権理事会専門家 ピチャモン・イェオパントン氏
「被害者が経験してきた苦痛を考えると、補償は被害者がどう納得できるかが重要」
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