中国政府は南シナ海での領有権をめぐり緊張が高まるフィリピンとの関係について、前の政権との間では対立を避けるために「紳士協定」を結んでいたと明かしました。
フィリピンにある中国大使館は18日、中国とフィリピンの間で領有権を争っている南シナ海のアユンギン礁をめぐり、前のドゥテルテ政権時代には「平和を維持し、紛争を防止する」という内容の紳士協定を結んでいたと明らかにしました。
アユンギン礁では、フィリピンが実効支配の拠点にするため古い軍艦を座礁させ、フィリピン軍の兵士を常駐させていますが、中国海警局の艦船は生活物資を運ぶフィリピンの船に対し放水砲を発射するなど妨害を繰り返し、緊張が高まっています。
また、中国大使館は今年初めにはマルコス政権とも「生活物資の輸送に対する新たな合意を両国間で行ったが、フィリピンが一方的に破棄した」とも主張しています。
フィリピンをめぐっては11日、日本・アメリカとの3か国による首脳会談が初めて行われ、海上自衛隊やアメリカ軍も加わった合同パトロール計画も発表されるなど日米がフィリピンを支援する姿勢を鮮明にしたことから、中国との対立がますます激しさを増しています。
今のマルコス政権は、この協定の存在を認めていないことから、中国政府としては公にすることで政権に揺さぶりをかけたい狙いがあります。一方、マルコス大統領は前政権が結んだとされる協定について「引き継ぎはなかった」と強調しています。
フィリピン マルコス大統領
「密約だろうが紳士協定だろうが、我々はそのことを知らされていなかった。誰かこのことを知っている人はいるか?どんな経緯があり、何が起きたんだ?」
マルコス氏は「協定があるとすれば撤回する」として中国に妥協しない姿勢を示していますが、中国側が指摘する現政権との「新たな合意」についてはコメントしていません。
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