ロシアではウクライナ侵攻が始まってまもなく2年となるなか、軍に動員された兵士の帰還を求め妻たちが声をあげています。その思いを聞きました。
モスクワのクレムリン前に集まった女性たち。ロシア軍に動員された兵士の妻たちです。
記者
「白いスカーフを身に付けた女性がいま、無名戦士の墓に花を手向けています」
プーチン大統領が30万人の動員を発表してから500日になるのに合わせ、ロシア各地から40人以上の妻たちが集まり、動員兵の早期帰還を訴えました。
「愛する人を帰してほしいだけ。それを知ってほしいのです」
今年に入って集会に参加するようになったクセニアさん。おととし10月に動員された夫は自治体のバスをメンテナンスする仕事についていたといいます。
夫が軍に動員された クセニアさん
「一緒に朝起きて朝食をとり、同じ時間を過ごしていました。彼が動員され、全てを失いました」
動員とは志願兵や契約兵とは異なり強制的に軍に招集されるもので、発表直後には国外に脱出する人も相次ぎました。
クセニアさんの夫は砲弾が飛び交う前線に偵察部隊として送られ、連絡が1か月以上途絶えることもあったといいます。
ある時、テレビ電話に映った彼の目つきは変わり果てたものでした。
夫が軍に動員された クセニアさん
「まさに人間ではない何か。まるで怪物のようでした」
休暇を与えられた夫と再会した際には、さらなる異変も。
夫が軍に動員された クセニアさん
「塞ぎがちになり、口数が減りました。道端などで何か鋭い音を聞くと、彼はガタガタと震えだすのです」
いつ実際の戦闘に駆り出されるか分からない。クセニアさんは一刻も早く動員を終わらせることを求めて声を上げようと決心しました。
しかし、思いを訴えようと訪れたプーチン大統領の事務所や国防省からも返事はないままです。
侵攻に参加する兵士を“英雄”と称し、家族への手厚い支援をうたってきたプーチン政権ですが、動員兵がいつ帰還するかなどについては、これまで何も触れていません。
夫が軍に動員された クセニアさん
「動員された人たちのことを無視し、(国民に)彼らの存在を忘れさせたいのでしょう。政権は私たちを怖がっています」
クセニアさんが参加した集会を取材していたメディア関係者ら20人以上が治安当局に一時拘束されました。来月に大統領選を控え、プーチン政権は反戦ムードの広がりにつながりかねないと神経をとがらせているとみられます。
政権側の発表を信じる友人や親族との関係も悪化したというクセニアさんですが、声を上げ続けるといいます。
夫が軍に動員された クセニアさん
「(ロシアの人々は)安定を損なうことを何より恐れます。しかし、夫が動員された私の人生に、もはや安定はありません。(声を上げたのは)このロシアにも安定を奪われた人たちがいると示すためです」
彼女の訴えはいまのロシアでどう響くのでしょうか。
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