記録は次世代へ
長﨑さんが保存していた育児写真には、心の傷を克服したオキちゃんの変化が記録されています。初期には赤ちゃんの頭を押さえる動作が見られましたが、やがて胸びれを赤ちゃんのお腹の下に広げて支えるようになりました。何度も悲劇を経験していた長崎さんはその変化に、深い喜びを覚えていました。
訓練日誌、育児データ、写真、映像―― 長﨑さんが積み重ねてきた記録はすべて沖縄美ら海水族館側に提供されています。
それでも当時の映像を見たのは今回が初めてだった海獣課の古網雅也さんはとしみじみと語りました。
「そういった事故も経て、今の飼育に行き着いているんだ」「まだまだ僕らも技術が足りない部分がある。常に貪欲に、いいもの(方法)を取り入れて、超えていかないといけないんだな」
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長﨑さんは去年12月にオキちゃんの訃報を聞き、献花台で手を合わせました。今回RBCに手紙を寄せたのは、その死を機に資料を整理する中で、30年以上前の映像を発見したことが、きっかけだったといいます。
「辛い経験を乗り越えたオキちゃんの強さ、僕はそれを伝えたい」
海洋博公園のシンボルとして、半世紀にわたり愛され、人々を笑顔にしたアイドル、オキちゃん。
しかし、オキちゃんの半生を間近で見つめた飼育員の長﨑さんが彼女から学んだことは、華々しい表の顔からは想像もつかない深い苦悩を何度も乗り越えた、試練に負けない心、諦めない心でした。(取材 比嘉チハル)














