大町市が発注した公共工事の予定価格を業者に漏らしたとされる職員の男に、執行猶予のついた有罪判決が言い渡されました。

公契約関係競売入札妨害などの罪に問われたのは、大町市職員の男(57)です。

判決によりますと、男は去年、市が発注する図書館と運動場の照明をLED化する工事の一般競争入札をめぐり、業者の男に予定価格を教えて落札させ、入札の公正を害するなどしました。


長野地裁の坂田正史裁判長は「地元の先輩に求められるまま、大胆かつ安易に重要な秘密事項を教えていて、公共入札工事の信頼を害しかねない」などと指摘しました。

その上で「金銭的な見返りを期待していたような形跡がないことを踏まえても、悪質」として、懲役1年6か月・執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。


また牛越被告から入札予定価格を聞き出した神奈川県の電気設備会社の元社長(65)の男には「犯行は常習的」として、懲役1年・執行猶予3年の有罪判決が言い渡されました。

判決を受けて、大町市の牛越徹市長は「市として再発防止の徹底と公正な入札手続きの確保に取り組むとともに、刑の確定を踏まえ、関係者の処分について厳正に対処します」などとするコメントを出しました。