涙と「誓約書」

検察:
「本当に薬物を絶つことができるのですか?」
被告の男:
「逮捕された時、妻や子どもに会えなくなった。いろんなものを失いそうになったが、妻はもう一度信じてくれると言っている。今まで支えてくれた人たちのためにも絶ちたい」

男は涙と共に声を震わせながら続けてこう話した。

被告の男:
「もしまた薬物をやってしまったら、いろんなものを失う可能性があると改めて知った。もうこんな思いはしたくない。二度と薬物に手を出しません」

弁護側は、前回の公判で妻と約束した通帳や携帯電話の管理・尿検査や治療を続けることなどを誓った「誓約書」を裁判官に提出した。

求刑

検察官は、自らこの事案が発覚することを分かっていながら男が薬物を使用していたこと、家族や妻も男の前科を知りながら薬物の所持・使用を未然に防ぐことができなかったことなどを指摘し、2年6カ月の実刑判決を求めた。

一方弁護側は、男が勤務時間外に薬物を使用していたこと、学生時代に逮捕された後9年間は薬物を絶っていたことなどをあげ、執行猶予付きの判決を求めた。2月、男に対して判決が言い渡される。

※初公判の記事は、「研修医の多忙さから―」薬物で3度逮捕された元医師の男 子どもの前で逮捕、離婚切り出した妻は、で紹介しています。