「友人たちからの求めで事故に」被告が主張する要因を裁判所は認定せず
被告「スピードを出すと友人たちが盛り上がり、それを見て聞いて自分も楽しい気持ちになった」
車の速度を上げると体が浮き上がる感覚に、友人から「もう一回」と求められることも。また、運転免許を持たない友人に要求され車を貸したり、窓の外に体を乗り出す「箱乗り」をしたり、こうした行為を繰り返すうちにスピードを出すことに慣れ、「危険」という認識が薄れていったといいます。
被告「事故は起きないだろうと軽く考えていた。周りに流されやすく調子に乗りやすいところが問題だった」
事故当時18歳だった被告に、刑罰を科すべきか、それとも保護処分とすべきかが裁判では争点になりました。
検察側は、運転経験が未熟という自覚がありながら極めて無謀な運転をし、犯行態様は悪質だとし懲役6年を求刑。
一方、弁護側は集団心理などが犯行に影響を与えたとして保護処分が適切とし家庭裁判所への移送を求めました。
迎えたきょうの判決で、金沢地裁の伊藤大介裁判長は、懲役3年の実刑判決を言い渡しました。

伊藤裁判長は「運転態様は非常に無謀で結果は重大」としたうえで、友人らからの求めが今回の犯行に至った原因とは認定しませんでした。
その上で被告が当時18歳だったことや、一部の被害者と示談が成立していることから、懲役3年が妥当としました。
弁護側は判決を受け、現時点で控訴についてコメントできないとしています。
公判に参加した裁判員3人が判決後、記者会見に応じました。
50代の会社員の男性は、審理した少年事件について「難しいと思った。(被告が)自分の子どもと同じ年齢で親の立場になって考えさせられる事件だった。感情が入るところもあり、判断するのが難しかった」と話しました。