入社式や入学式など、4月1日は新たなスタートを切る人も多い中ですが、能登半島地震の被災地では、地域医療を担う看護師も新たな一歩を踏み出します。

市立輪島病院には、2人の新人看護師が配属されました。竹園雅さん(23)と浦田美空さん(22)です。

竹園雅さんと浦田美空さん


竹園雅さん(代表してあいさつ)
「一日でも早く先輩方に追いつき即戦力となれるよう、また輪島市に少しでも貢献できるよう精一杯尽力する」

2人は、地震と火災で大きな被害を受けた河井町の出身です。

竹園雅さん
「1月1日の地震もあり、迎えられるかも不安だったけど、無事迎えられてうれしい」
浦田美空さん
「家に住めない状況だったけど、私だけでなく地域の人々もそういう状況にいるので、私も地域の人と頑張らないとなと思いながら、きょうまで過ごしてきた」

現在輪島市内の避難所で生活する2人は、今後に不安を覚えながらも、地元の医療を担う看護師としての一歩を踏み出しました。

こうして新戦力が加わる一方、被災地では医療関係者の離職が相次ぎ職員の確保が課題です。輪島病院でも地震以降に離職した人は28人に上ります。

それでも、病院の関係者は光明を見出す思いでいます。

市立輪島病院事務室・大下銀次庶務係長
「被災した状態なので、なかなか『楽しい、嬉しい、頑張りたい』と前向きな気持ちで4月を迎えられなかったことについて、申し訳ないというか悲しいところだけど、新人らしくフレッシュに新しい気持ちで飛び込んでチャレンジしていただければ、元気も出るし楽しい気持ちになる」

安心安全の生活のためには欠かすことができない地域医療。

職員らは、被災地での医療体制を支え続けるため気持ちを引きしめていました。