3年前の3月10日、島根大学医学部で、解剖実習のため提供されていた50人の献体が適切に防腐処理されず、一部が使えなくなっていたことが発覚しました。
この反省と献体に応じてくれた人たちへの感謝を新たにする式典が、島根県出雲市の大学構内の慰霊碑前で開かれました。

「黙祷」
3月10日を「ご献体の日」とし大学が毎年開いている祈念式典には、医学部の教職員と医学科4年生ら、100人余りが参列しました。

島根大学 大谷浩 学長
「ご献体賜りました、全ての御霊に誓います」

大谷浩学長が、献体に応じて下さった人たちを裏切ることになったのは痛恨の極み、と信頼回復への取り組みを約束し、学生の代表が解剖実習で感じたことを元に医療人としての精進を誓いました。

医学科4年 新城圭史郎さん
「手術痕や病気の痕跡、生前の生活を思い起こさせる筋肉の付き方などから、ご献体、お一人お一人の人生を学びます。このような学びは教科書だけでは得られるものではありません」

有終会 東清司 会長
「これを元に日々きちっとした対応を心掛けるように、毎年開催して頂ければと」

献体に登録した人や遺族で作る有終会の東清司会長は、50年前に前身の島根医科大学が開学して以来1671柱が医学教育に貢献して来たと紹介。

参列者全員が慰霊碑に花を供えて献体に応じた人たちへの感謝を捧げました。