「安倍やめろ!帰れ!」4年前の札幌で行われた当時の安倍総理の演説で聞こえてきたヤジ。このあとヤジを飛ばした男性が警察に連れて行かれます。皆さんはどう思いますか?
「大声出すのに許可いるの?」“増税反対”のヤジを警察が排除…市民が抗議
「安倍やめろ、帰れ」(2019年7月)

ヤジを飛ばしたのは大杉雅栄さん。すぐに警察官によって強制的に連れ去られました。その後、もう1人…

「増税反対!」

生まれて初めてヤジを飛ばした当時大学生の桃井希生さんも、別の警察官にその場から排除され、さらに1時間近くも付きまとわれました。

警察官「声を上げないでくれよ」
桃井さん「大声出すのに許可いるの?」
警察官「いらないよ。法律に引っかかっているとかじゃなくて」

年金政策に批判的なプラカードを掲げようとした女性も、道路に出たら危ないなどの理由でその場から移動させられました。

政権批判のヤジを排除するのは、表現の自由を奪うことだとして市民が抗議します。
排除された大杉雅栄さんや桃井希生さんが、北海道警察を所管する北海道に損害賠償を求める訴訟を起こしました。
ソーシャルワーカー 大杉雅栄さん
「人が演説をしているところで異議を唱えたら、それは違法行為なんだ。じゃあ黙っておこうといってどんどん喋らなくなる、意見を言わなくなる。それは単に僕だけの問題ではなくて社会全体にとってもマイナスだし、言論の萎縮を招く」

北海道警は警察官職務執行法(警職法)などを法的根拠に挙げました。大杉さんらがヤジを飛ばしたことで、周りの聴衆と小競り合いが起き、放っておけば犯罪が発生する危険性が高かった。そこで、犯罪を防ぐためと大杉さんらを避難させるために移動させたという主張です。
刑事訴訟法の専門家・神奈川大学の白取名誉教授は、警察の説明には無理があると指摘します。
神奈川大学(刑事訴訟法) 白取祐司名誉教授
「警職法には確かに制止の措置があるが、それは本当に災害とか、信じられないような事態が起きた時のやむを得ない措置。(警職法)5条である犯罪の予防制止は、まさに具体的な犯罪が起きるときの話なので、かなり強制的な要素を含んだ措置・対応として説明するのは無理がある」

北海道警の元幹部は…
元北海道警察 原田宏二さん
「あるはずのない法的な根拠を説明しようとしたわけでしょう、あるということを。それは無理筋ですよ、最初から。今回の場合、恐ろしいなぁと思うのは、たくさんマスコミのカメラのいる前で堂々とやったこと。あなたたちは無視されたんですよ」
