◆カタログギフト向けの商品も裏目に

コメは農家からJAなどの集荷業者、そして卸売業者をへて小売店に並び、私たちに届きます。

今回の会社は、小売店からのプレッシャーを受け仕入れた価格に自分たちの利益を上乗せして販売することができませんでした。

また、この会社がカタログギフト向けの商品を多く扱っていたことも裏目に出ました。

・卸売会社の破産申立代理人 大沼邦匡弁護士
「カタログを印刷して値段を決めてしまっていますので、急に(コメの)価格を上がるとそもそも価格変更ができない。(仕入れが高騰した分)売れば売るほど赤字になってしまうっていうところが、一番大きな破産の原因になった所だと思います」

価格高騰のなか赤字だけが増え、約6500万円の負債を抱えて破産したのです。

大沼弁護士によりますと、会社の代表は「取引先にご迷惑をおかけしてしまった」と事業を継続できなかったことを悔やんでいるそうです。

この弁護士は、過去にもコメの卸売業者の破産手続きを手がけたこともあり、随意契約による備蓄米の放出について、「大手小売りやネットスーパーで安いコメが手に入れば、消費者に恩恵はある一方で、中小の卸売業者はさらに経営が厳しくなるのでは」とみています。