高齢化が進む、山口県周南市の山あいの診療所に、この春1人の医師が着任しました。地域医療に打ち込んだ祖父の姿を追いかけながら、地元の心のよりどころを目指します。

4月

周南市北部の山あいにある鹿野診療所。2022年4月、6年ぶりに常駐の医師が着任しました。長沼恵滋医師(38)です。


鹿野診療所所長 長沼恵滋医師:
「その人その人の人生観を尊重してそれに少しでも近づいていけるようなという所が私には求められているかなと思います」

東京都出身の38歳で、2022年3月までは岩国市美和町の病院に勤めていました。内科や外科などといった専門にとらわれない、「総合診療医」です。幅広い視野と見識を持つへき地医療のスペシャリストとして経験を積んできました。

長沼医師:
「口べただと思っていますから。最高の口べたです」

人前に出るのは苦手という控えめな長沼さんですが、患者を前にすると口がなめらかになります。検査の数値や症状の進み具合を丁寧に見つつも、1人1人の自由はできるだけ尊重します。

電子カルテに男性が山登りをしたことなど、一見治療とは関係なさそうなことも書き込みます。


長沼医師:
「時間をしっかり取るという所は心がけています。心がけているというよりも、まあ自然とそうなります。自分の性格のせいでしょうですけど」=

患者(80代):
「優しいし、お若いし、すごく安心できる気分です」

長沼さんが着任するまで、毎月10人ほどの医師が日替わりで周辺の病院から派遣されていました。6年ぶりの「常駐」は大きな安心感につながっています。

女性(70代):
「先生の顔を見て話すと癒やされますよね。普通の者と話すとまた違いますよね」