千石台出荷組合 三戸雅人組合長(63):
「とにかく、冷えてからの収穫。おいしくなると思います。やっぱりマルセン。丸に千石台の“千”なんですけど、その看板があると、やっぱりおかしなものは出せないなと。いい大根ができていると思います」

夏の訪れとともに収穫が始まる。これから、12月上旬まで味わえるという。
産地は・・・山口県萩市むつみ地区、千石台。中国地方最大のダイコンの産地だ。
徳川幕府時代、毛利藩によって開墾された。穀物が千石ととれていたことから、その名がついたとされる。

畑が広がるのは、標高400m~500m。昼夜の気温差が甘みのある大根を育てる。


三戸組合長:
「今年の大根のできは非常にいいですね。千石台の大根は緻密さがあって、辛さと甘さが相まって大根すりにして食べても、どんぶり一杯でも食べられる」

三戸雅人さん。千石台出荷組合の組合長を務める。
初めて畑の土を踏んだのは19歳のとき。以来、44年間、妻と二人三脚でだいこんを育ててきた。 


妻・三戸泉さん:
「子どもたちは不思議がります。いつも一緒でしょう?ようおるね~って言うけど、それが当たり前だから、やっぱり、おらんと寂しいですかね」


妻、泉さん曰く、雅人さんは優しい性格。その愛情深さが、おいしい大根を育てるという。そんなご主人に、泉さんが伝えたいことがある。

泉さん:
「飲みすぎですね。友だちでもくるともう・・・きゅっきゅ きゅっきゅ飲むから。もうすぐ酔っ払ってわからんようになるし」

酒の肴は、大根だそうだ。
最大の特徴は、その収穫時間。陽が沈み、暗くなり始めた午後7時、収穫が始まる。

大根が冷えてからの収穫。やっぱり、鮮度を保つため。冷えたら、栄養をためていこうとするので、おいしくなると思います。

1日に収穫するのは、およそ4000本。鮮度を保つため、収穫後すぐに葉を着る。この作業が、深夜まで続く。

寒暖差のほかに、欠かせないものが、もう一つ・・・この、黒い土。


三戸組合長:
「自分らは『黒ボク土』と言うんですけど、火山が噴火してできた火山灰土。湿気があまりないんですけど、キュッと握ったら団子になる。フッとやると、サラサラになると」

水をほどよく含んだ、柔らかいこの土が、きめ細やかで白い肌の大根を育てるという。 


三戸組合長:
「きれいな大根を皆さんに届けられるというのは大変うれしいことです。汚い大根やったら、千石台っていう名前を出したくない」

名に恥じぬ大根を―ただ、限界もある。

三戸組合長:
「自分より先輩もまだ頑張っておられますけどやっぱり 年には勝てない。重労働なので」

千石台だいこんを栽培する農家は、現在13戸。うち、中心的に活動しているほとんどが60~70代だという。そのため、かつては深夜0時に行っていた収穫も、体力面を考慮し、2年ほど前から、午後7時に行うこととなった。それでも、親を継ぐ次の世代が、これからも畑を守ってくれるはず・・・少しは安心…と、三戸さんは言う。