持続可能な社会を作るために定められたSDGsですが、ゴールが17個あり、達成に向けた取り組みが世界中で行われています。きょうは15番目の目標「陸の豊かさも守ろう」です。この中には「動物達の生息地を保護することで、生物多様性の損失を防ぎ、絶滅危惧種を守る」という細かい目標が入っています。今回は、絶滅危惧種の保全活動に取り組む自然観察公園を取材しました。


山口市阿知須・きらら浜の北側エリアにある「新光産業きらら浜自然観察公園」です。30ヘクタールの土地が、淡水の池や干潟など5つの環境に分けられて整備されています。この場所に生息するさまざまな生き物を観察することで、自然を身近に感じることができます。

渡り鳥が多く飛来し、野鳥の観察場所としても知られています。

この公園で一番力を入れているのは・・・

新光産業きらら浜自然観察公園 原田量介・園長
「ここは絶滅危惧種を保護・保全している場所。特に取り組んでいるのは野鳥ではクロツラヘラサギ、トンボではベッコウトンボ、植物ではニラバラン」

クロツラヘラサギはトキの仲間で、東アジアに分布しています。
環境省のレッドリストで、近い将来、野生での絶滅の危険が高い絶滅危惧IBに指定されているのです。

主な繁殖地は朝鮮半島と中国で、秋から春にかけて台湾や日本などで過ごします。
へらのような長いくちばしを使って、沼地にいるハゼや魚、エビなどを食べます。

今シーズンは最大で34羽が確認され、公園のそばに広がる山口湾の干潟で、エサを探している様子が観察できたそうです。毎年飛来してくる野生のクロツラヘラサギの保全活動に取り組んでいます。

新光産業きらら浜自然観察公園・原田量介園長
「いろいろ干潟に漂っているゴミなどで、けがをしたりする個体が多く出るので、そのけがをしたクロツラヘラサギを公園で保護して野生復帰を目指す」

ゴミでけがをしないよう年に1度、海岸清掃を行っています。園内には、保護・リハビリセンターがあります。クロツラヘラサギの保護施設は全国で初めてで、傷ついたり病気になったりした個体を保護します。現在は、東京の多摩動物園から来た2羽を試験的に飼育しています。
ここは生息地の環境が再現され、野生の生活に慣れさせることができます。
さらに、すぐ隣には鳥が休むための人工島も整備されています。

個体数は、1980年代に280羽ほどしかいませんでしたが、保護活動が進められたことで、現在では6000羽を超えるまでになりました。
干潟の生き物の中で食物連鎖の上位に位置するクロツラヘラサギを保護することで、干潟に生息する様々な生き物を守ることにつながります。