世代や国籍を問わず盛り上がりを見せているeスポーツ。高校の部活動としても広がりつつあります。このほど、富山県の私立高校、新川高校の「eスポーツ部」が “eスポーツの甲子園" とも呼ばれる全国大会に出場し、運動部とは違う静かな熱気に包まれていました。

(電子音)シュー、ピュピュン、ゴー、ドカーン

静かな熱気に包まれる新川高校、eスポーツ部の部室。この日「eスポーツの甲子園」と呼ばれる全国大会に臨んでいました。

「オッケー、ナイス~」
「ぺペロン犠牲にして、リリア持ってく?」
「ヤカンナベさん」
「ニラ、アーリーだから」

ゲームの世界で、生徒たちはハンドルネームで呼び合います。

3年 Yakannabe(やかんなべ):
「頭の中にやかんって浮かんできて、なべ付ければいいやと思ってつけたらそのまま通っちゃって。楽しいですね、チームと一緒にやっていけてる感があるので」

2年 Nira(にら):
「野菜のニラが好きなんです。相手の動きを読んで戦う心理戦みたいな。最高ですね」

2年 hisuii(ひすい):
「わたしは可愛いキャラで決めました。仲間の回復ですかね、私の使っているキャラは大体」

そして、1年生の「ぺペロンヌ」は、敵の攻撃を受けとめ、仲間を守る耐久型です。

この出場メンバーをまとめる司令塔が、部長の亀田和歩(かめだ・かずほ)さんですが…

新川高校 eスポーツ部 亀田 和歩 部長:「いや、まだ(熱)あります」

この日の朝、発熱し、自宅からの参加となっていました。
2018年に1人の男子生徒が声を上げ、空き教室からスタートした「eスポーツ部」。部員は当初、数人でしたが、ここ1、2年で急増しています。

新川高校 eスポーツ部 顧問 樋口達也教諭:
「対面で話さなきゃいけない、そういうのが苦手な子にとっては、ひとつのハードルだと思うのですけど、色んな価値観を認めてもらいやすい場ということで、成り立っているのかなと思います」

創設から4年。亀田さんたち今の3年生は、去年、学校所有の空き家をリフォームして新しい部室を作り、今では部員が60人近くと新川高校で1番の大所帯に成長させ、「eスポーツ部」の基盤を作り上げました。

新川高校 eスポーツ部 亀田 和歩 部長(当時):
「僕の代で優勝できないにしても、次の代につなげていって、何年後かに優勝してもらって、僕たちが基を作ったんだよと言えるようになりたいですね」

亀田さんたちが挑むのは、高校生eスポーツの全国大会「ステージゼロ」です。

「ステージゼロ」は3年前に始まるやいなや人気が急上昇。去年は全国2000校から6000人近くの高校生が参加し「eスポーツの甲子園」とも呼ばれています。

部員たちが取り組むのは、eスポーツを代表する対戦型ゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」。攻撃、防御などのポジションにわかれた5人1組のメンバーが、相手チームと陣地を取り合います。

2年 Nira(にら):「勝つしかないですね」

亀田 和歩 部長:
「お互い声かけ合って、連携で勝っていきたいと思います」

部室の中でメンバー全員:
「始まるよ。いきましょう~」

新川高校は、21チームが参加する中部ブロックで、過去最高のベスト8に進出。初めてのベスト4をかけて愛知県の専門学校と対戦しました。

特に力を入れてきた連携プレーで、序盤はリードするも…、徐々に相手の実力に追い詰められます。

部員:「無理。大丈夫、まだいけるよ」

声をかけ合い粘ったもの、およそ30分でゲームセット。3年生にとって、最後の「ステージゼロ」は、ここで敗退となりました。

2年 Nira(にら):
「いやー、格の差を見せつけられたような感じがしました」

3年 Yakannabe(やかんなべ):
「悔しいけどよく高校生であんなプレーできるなという尊敬もある」

亀田 和歩 部長:
「まずは何回も言うけど、連携はマジ過去最高。100点満点」

顧問 樋口達也教諭:
「僕もう引退なんでみたいな感じだけど、まだ大会あるけどね」

亀田 和歩 部長:
「その話なんだけど…(次は)ミッド(のポジション)行こうかな。ミッドかサポート。みんな行きたいポジション言ってって…」

顧問 樋口達也教諭:
「それは今後を見すえてということ?」
亀田 和歩 部長:
「そういう時期よ、もう。今回が目標だったから」

亀田部長は、新川高校eスポーツ部が、将来優勝できるチームになるように
今後、引退までにある別の大会では、自分の司令塔ポジションを後輩に譲る決断をしました。

記者:「eスポーツ部はどんな存在?」

3年 Yakannabe(やかんなべ)佐々木 智也さん:
「みんなでいろいろ考えながら頑張ってきたので、自分の高校でやりたいこともできたし、そこが青春かなと思ったりします」

2年 Nira(にら)押田 聡治さん:
「人とコミュニケーションを高めあったり、人と人の友情関係を深めたりできる、すごく素敵な場所。入ってよかったと思ってます」

eスポーツ部 亀田 和歩 部長:
「スポーツのサッカーや甲子園で、みんなで楽しむのもいいけど、ゲームが好きだという人たちがeスポーツ部に入ることで、自分の好きなことでお互いに成長し合えるのがいいのかなと思います」

これまでのゲームとスポーツの枠におさまらない「eスポーツ」。新川高校の挑戦はまだまだ続きます。