売薬文化から生まれた「麦芽水あめ」。富山市の老舗あめ店が、ことし創業360年を迎えます。伝統のものづくりに共感したデザイナーとコラボした記念展覧会が富山市で始まりました。

富山市の「D&DEPARTMENT TOYAMA」で16日始まったのが、富山市の老舗菓子店島川あめ店の創業360周年を記念して開かれた展覧会です。

展覧会には、島川あめ店のファンだという県内在住のクラフト作家やデザイナーらが積極的に参加しています。

島川あめ店 14代目社長 島川 晋さん:
「うちのあめを気に入っていただいた方が、みんなやろうやろうって、私より先に準備していただくような状態だったものですから、その方たちの協力を得まして、ここまでこられました。ただただうれしいですね。もうおかげさまの気持ちでいっぱいです」

江戸初期の1663年(寛文3年)の創業の島川あめ店。創業以来、砂糖を使わずでんぷんと麦芽だけを原料とする水あめづくりを続けてきました。

水あめは、古くから料理の甘味料として親しまれ、江戸時代末期からは富山の「丸薬づくり」の苦味を和らげるための原料としても重宝され、富山の売薬の歴史とともに発展。

戦前には、市内に10軒以上のあめ店があったということですが、甘味料として砂糖が普及したことや、薬の製法の変化とともに次第に衰退し、今では市内であめづくりを続けているのは、島川あめ店1軒だけになりました。

展覧会には、歴史を感じる貴重な資料の数々や、今も現役で使っている木製の桶や柄杓(ひしゃく)などが展示されているほか、伝統的な製法でつくられた「麦芽水あめ」をはじめ、黒糖やしょうが、抹茶などを加えるなど進化を続けてきた商品の数々が展示、販売されています。

訪れた人:
「はじめて見るものが多くて、こういう風につくっているんだなっていうのが感じたし、それをもとに、新しいものを生み出していることを知ることができて、興味深かったです」
「隠れファンです。ずっと使っている感じの風合いがでていると、歴史を感じるなと思います。いろんな人に見てもらえたらいいなと思います」

島川あめ店の、360年の歴史や魅力が詰まった展覧会は8月7日まで開かれ、7月10日は工場見学のツアーも予定されているということです。

島川あめ店 14代目社長 島川 晋さん:
「あめがなかなか頂点に届かないですね。日々、次またおいしいあめができたらいいなと思う気持ちでやっているもんですから、それに引っ張られてここまできたみたいなところがありますね。(展覧会では)うちの歴史を知ってもらいたいことと、麦芽をメーンにしたあめがあるんだということをぜひ知ってもらいたい」