静岡市は5月17日早朝、「三保松原」の松枯れ対策として、ドローンを使って薬剤を撒きました。世界遺産の構成資産を守るうえで、ドローンが重要な役割を担っています。

<野田栞里記者>
「三保松原に来ています。あのようにドローンが松の木に接近しピンポイントで、松枯れを防ぐ薬剤を撒布しています」

松枯れを引き起こすマツノマダラカミキリです。この厄介な虫を駆除するために、17日早朝から三保松原で薬剤が散布されました。

かつては深刻だった三保松原の松枯れ。問題解決のカギとなったのは無人ヘリやドローンでした。2014年から無人ヘリコプター、2019年からはドローンで実施しています。元々空からの薬剤散布には有人ヘリを使っていましたが、松から離れた距離からしか撒けませんでした。

しかし、ドローンならぐっと松の近くに接近出来るため、マツノマダラカミキリがかじる松の先端へとより効果的に薬剤を撒くことが可能になったのです。その効果は一目瞭然です。

無人ヘリやドローン導入前は、年間およそ800本あった松枯れは、2021年度にはおよそ15本にまで激減。

<三保松原文化創造センター 眞田剛光所長>
「三保の松原は世界文化遺産の構成資産になっています。一方で松枯れの問題は深刻なので、松枯れを減らして後世に伝え遺していくことが重要だと思っています」

今回の薬剤撒布は19日までで、6月上旬にも実施する予定です。