静岡県焼津港を舞台にした冷凍カツオの窃盗事件に新たな展開です。2021年3月、焼津港でカツオを盗んだ疑いで、運送会社の元社長ら6人が逮捕されました。

抜き取られたカツオが運ばれた先は九州の南端鹿児島県。いったい、なぜこんな遠くへ運んでいたのでしょうか。

2021年12月、焼津漁港で行われたカツオのセリに向かっていた男。窃盗グループの中心的人物とみられています。

窃盗の疑いで逮捕されたのは、神奈川県の運送会社の元社長の男(48)。元社長の男は水産会社の焼津営業所の所長の男(46)らと共謀し、2021年3月、焼津漁港で冷凍カツオおよそ10トンを盗んだ疑いがもたれています。

植田麻瑚記者
「本来カツオを運ぶ運送会社のトラックは、計量所を通らないといけません。しかし、今回の事件をめぐっては、計量所を通らないまま、港を出ていく様子が防犯カメラに写っていました。警察はこれらをもとに捜査を進め、今回の逮捕に至ったということです」

元社長らの犯行は、かなり大胆なものでした。

捜査関係者によりますと、事件当日、宮城県の船会社が水揚げしたカツオ90トンを、容疑者の男(46)が所長を務める水産会社が正式に買い付けていました。

このあと、漁港から冷凍カツオを外に運び出すのですが、本来、5台のはずのトラックがこの日は6台来ていて、このうち1台が計量せずにカツオを運び出してしまったのです。

被害者の船会社
「許せないというのが正直なところで長くやっていたのであれば相当な金額になると思う」

この際、不正に運び出されたのはトラック1台分およそ10トン。このうち、およそ6トンのカツオが向かった先は…カツオの水揚げが多く、かつお節の生産では全国トップの鹿児島県です。

被害者の船会社
「鹿児島に運ばれているんじゃないかという噂は前からあったんですけど、本当にそれが行われていたのか、そこらへんは分からなかった」

元社長らは、水産加工会社や卸業者の流通ルートを悪用し、盗んだカツオを正規のカツオとして、冷凍カツオの需要が多い鹿児島で売りさばいていたとみられています。

被害者の船会社
Qなぜわざわざ鹿児島まで運ぶのか
「遠いからばれないと思ったんじゃないですかね。許せないというのが正直なところで、許せないというよりは、水産業界で働いている人物からしてみるとショックでしかない」

全国一の水揚げを誇る焼津港と鹿児島をつなぐ大規模な窃盗事件。警察は余罪があるとみて、調べを進める方針です。