■「1円」の損害賠償請求

熊本県立済々黌(せいせいこう)高校の元男子生徒が校歌の練習や丸刈りの強制などが原因で転校を余儀なくされたとして損害賠償を求めていた裁判で、熊本地方裁判所は元生徒の訴えを5月30日棄却しました。


この裁判は 5年前、済々黌高校に入学した元生徒が入学直後に新入生だけが校舎の屋上に集められて校歌を大声で歌うよう強制されたほか、入部したソフトテニス部では、先輩から「伝統として強制的に丸刈りにされた」と訴えているもので、県に対し慰謝料などとして「1円」の損害賠償を求めていました。


元生徒は済々黌高校の「シメ」と呼ばれる独特の文化でうつ状態で不登校になり、2年生に進級できず転校を余儀なくされたとしています。

■「違法性は無く合意もあった」

30日の判決で熊本地裁の中辻 雄一朗(なかつじ ゆういちろう)裁判長は、校歌の指導について「団結力や愛校心を高めるために合同で練習する場は有益で違法性は認められない」とし、丸刈りについても「部員間で自主的な合意があることは知っていて、自ら丸刈りを依頼している」として元生徒の訴えを棄却しました。


判決のあと、元生徒の両親が会見を開き、不満をあらわにしました。

元生徒の父
大声で校歌の練習を長時間させているのは明らかにおかしいと思います」
「伝統だからと言って続けさせてきて、野蛮な行為(屋上での校歌指導)を正しいと考えているような済々黌や熊本県の教育委員会は教育者として間違っているんじゃないかと思います」
両親は控訴に向け、原告の元生徒と話し合うとしています。