33年前、小学1年の女の子2人が殺害された「飯塚事件」の再審請求審。

福岡高裁は24日、事件発生の翌年から2年分の「証拠目録」について、開示勧告をしない方針を示しました。

登校中の女児2人が殺害された飯塚事件

1992年、福岡県飯塚市で登校中の小学1年の女の子2人が行方不明になり、翌日約20キロ離れた山中で遺体で見つかりました。

殺人などの罪で有罪が確定した久間三千年元死刑囚は、2008年に死刑が執行。

無実を訴える元死刑囚の遺族と弁護団が、裁判のやり直しを求めています。

去年、福岡地裁は第2次再審請求を棄却しましたが、弁護団は決定を不服とし、福岡高裁に即時抗告しました。

弁護団が求めている「証拠目録」の開示

裁判所、検察、弁護団によるこれまでの三者協議では、福岡高裁が今年1月、弁護団が開示を求めている事件の「証拠目録」をまず裁判所に提示するよう検察側に勧告。

裁判所が検察側が提示した目録を確認し、弁護団への開示の必要性はないと判断していました。

24日に行われた協議で福岡高裁は、事件発生の翌年から2年分の証拠目録130通について、弁護団が重視している新たな証言に関する記録は見当たらなかったと説明し、事件発生年の目録同様、弁護団への開示勧告をしない方針を示したということです。

弁護団「証拠目録に記載のない証拠が存在する可能性がある」

弁護団 徳田靖之 弁護士「我々としてみれば絶対にあるはずのものがないというところに裁判所が深刻な疑問を持ってもらうということが何より必要ではないかと考えています」

弁護団は、「証拠目録に記載のない証拠が存在する可能性がある」として、これまで裁判などで提出された証拠が全て目録に記載されているか調べるよう裁判所に求めています。