(2022年5月5日 広島・マツダスタジアム)

こいのぼりの季節、5月5日、こどもの日。

広島の子どもたちにいいところを見せたいカープが、3対0でジャイアンツに快勝し、2勝1敗とカード勝ち越しを決めた試合。来日デビュー登板だった、先発・アンダーソンの7回無失点7奪三振の好投が光っていましたが、勝敗を分けたポイントには、ジャイアンツの「守備のほころび」につけ入った、カープのしたたかさがありました。

廣岡の悪送球にすかさず次の塁を陥れた中村健人

一つ目の場面は、5回のカープの攻撃。1アウトから、3試合連続スタメンの中村健がヒットで出塁すると、磯村がしぶとく三遊間へ転がし、これを捕ったショート・廣岡が二塁へ悪送球。フォースアウトを逃れた一塁ランナーの中村健は、三塁まで進みチャンスを広げます。廣岡は、2日前の試合でも敗因の一つとなるまずい守備があったばかり。手痛いミスでした。つづく小園はセカンドへ転がしますが、ゲッツーは成立せず、カープが先制点を挙げました。
【5回ウラ】悪送球後にメルセデスから肩をたたかれる廣岡

ポランコの隙をついた上本の好走塁 河田ヘッド瞬時の好判断

二つ目の場面は、6回。こちらも1アウトから上本がセンター返しで出塁すると、打席には、3番・西川。メルセデスのストレートを鋭いスイングで右中間へはじき返すと、バウンドした打球をライトのポランコが処理。1塁ランナーの上本は、迷わず3塁ベースめがけて快足を飛ばします。
【6回ウラ】西川のヒットを捕球しようとするポランコ。左は丸、手前は中山
その時でした。サードコーチャーの河田ヘッドコーチは、ポランコの打球処理の動作が緩慢と見るや、咄嗟に腕をグルグルと回し始め、本塁突入を指示します。全速力で三塁ベースへ近づいてきた上本も、スピードを落とさないままベースを蹴り、見事ホームイン。緊迫の投手戦がつづく中で、大きな追加点となりました。
【6回ウラ】河田ヘッドが腕を回し、三塁ベースを蹴った直後の上本。本塁へ迫る送球を確認している。
西川は「ここ何試合かしょうもないバッティングしかしてなかったので」と自分が放ったツーベースヒットについては控え目でしたが、「たかしさんナイスランです」と、上本の好走塁をたたえるコメントを残しています。
【6回ウラ】広島に追加点を許した直後の巨人・原監督

本塁打数は巨人の約4分の1・・・なぜカープは健闘しているのか

前日の4日は、先制しながらも、岡本の一発で追いつかれ暗転。ふがいない敗北を喫してしまったカープ。現状、チーム本塁打数は、巨人の39本に遠く及ばない10本ですが、カード勝ち越しの背景には、相手のミスを逃さず得点につなげる、したたかな野球があったと言えそうです。
広島の先発・アンダーソン
試合終了後のヒーローインタビュー。英語で「きょうは、チーム一丸の勝利だね」とうれしそうに語ったのは、来日初登板初勝利を挙げたアンダーソン。大入りだったファンの存在も、好投の後押しになったようです。直後、マツダスタジアムには、日本語の雄叫びがこだましました。

「カープのファンが一番じゃけー!」