今度の日曜日に行われる大分国際車いすマラソン。大会参加者最年少でハーフマラソンに挑戦する14歳の男子中学生に迫ります。

練習着に身を包みレーサーに乗り込む梶取春斗さん(14)。大分県由布市にある由布支援学校に通う中学3年生です。

(梶取春斗さん)「グーにしながらこぐのが難しい。風が気持ちいいですね、走っていると」

梶取春斗さん

11月17日に開催される大分国際車いすマラソンでハーフマラソンに初出場する梶取さんは、別府市と大分市を結ぶ別大国道で週2回練習に取り組んでいます。

梶取さんは生まれつき脊髄が背骨で覆われない、二分脊椎症を抱えていて下半身の感覚が弱く3歳から車いすで生活しています。イベントがきっかけでレーサーに乗り始めたのが小学2年生の時。今回、大会最年少での出場を決意した背景にはある選手との出会いがー。

(梶取春斗さん)「マルセル・フグさんと写真を撮った。それで憧れて」

マルセル・フグさんと(2019年)

車いすマラソンの世界記録保持者でパラリンピック3連覇中の金メダリスト、マルセル・フグ選手。2019年に大分でフグ選手と写真を撮り、沿道から声援を送ったことから「同じ舞台で走りたい」と思いを強くしました。

(梶取春斗さん)「ちょっときついですね。向かい風があって前に進まない。ホイールを回すのがきつい」

レースで選手を苦しめるのが坂道や向かい風。完走にはスタミナに加え、パワーも求められます。梶取さんは腕立て伏せを毎日150回行い、筋肉トレーニングに励んでいます。日々の苦しい練習で背中を押すのが、家族の存在です。練習での並走や声かけなど両親がその背中を支えてきました。

一日150回の腕立て伏せ

母の真理さんは息子の新たな挑戦を見守っています。

(母・真理さん)「14歳という歳で大会の20キロに挑むのは親としてはすごく心配なんですけど、記憶に残ってくれたらいいなと思っています」

母親の真理さん

(梶取春斗さん)「楽しみだし練習した成果をみせたい。完走をまずは目指したい」