19日に最大震度6弱、20日には5強の地震が相次いだ石川県の能登半島では、数年前から群発地震が続いています。政府の地震調査委員会は20日の臨時会合で、地震のメカニズムについて「結論は出ていない」としましたが、専門家の間では、地下深くにある「流体」が影響しているという仮説が有力視されています。

地下深くに「水のような流体」最新の研究結果

会場の「ラポルトすず」は大勢の市民で埋め尽くされ関心の高さをうかがわせた

6月4日、金沢大学の専門家や気象台の担当者らが珠洲市内で開催したシンポジウムに、およそ220人の市民が集まりました。この日、地震のメカニズム解明につながる新たな研究結果が発表されました。

研究者の間では、珠洲市の地下10キロから15キロ前後に「水のような流体」が存在し、断層に流れ込むことで地震を引き起こしているという見方が広がっています。

流体のイメージ 断層面に流れ込むことで地震が引き起こされる

流体が存在する領域は電気を流しやすくなるとされていて、京都大学や金沢大学などの研究グループは、2021年11月から3回にわたり、珠洲市と輪島市、能登町の計32か所に地下の電圧や、地球がもつ磁気=地磁気を調べる観測機器を設置しました。

回収したデータを解析したところ、珠洲市内の4つの震源域のうち、南側の震源域やその下に、電気を流しやすい場所があることがわかりました。

シンポジウムで発表された研究結果 右下のオレンジ色の部分が電気を流しやすいとされる領域

調査を行った京都大学防災研究所の吉村令慧教授は、データはあくまでも暫定結果で、今後詳細な解析が必要とした上で「地震活動と非常に調和的な結果になっている。流体の存在を強く示唆する構造が得られそう」と話しました。

電気を流しやすい領域は、2007年の能登半島地震でも震源の近くにあることがわかっていて、流体が地震を引き起こした可能性が指摘されています。

観測機器を地中に埋める吉村教授

吉村教授は「能登半島地震とどういう構造の違いがあるのか、注視しないといけない。周辺の構造も含めて最終モデルにしたい」と述べ、今後の解析で能登北部全体の地下構造を明らかにしたい考えです。