「グリーフケア」という言葉を知っていますか。Grief(グリーフ)は“死別などによる深い悲しみや悲痛”です。Grief Care(グリーフケア)は「悲しみに寄り添う」という意味の言葉で、遺族ケア・悲嘆ケアとも呼ばれています。そして遺族に寄り添い悲しみを和らげる資格を持つ人は「グリーフケア士」と呼ばれ、全国に441人います。このグリーフケアの考えがいま注目を集めていて、これに伴い葬儀場にも徐々に変化が見られています。

取材したのは金沢市大額に5月14日にオープンしたばかりの「サンレー大額紫雲閣」
金沢紫雲閣・大谷賢博総支配人「他のお客様と交わることのない一家族貸し切り型の葬祭会館です」

上級グリーフケア士の大谷さん


案内してくれた大谷賢博総支配人は全国で10人、県内では唯一となる「上級グリーフケア士」としてグリーフケア士の指導・育成に携わっています。
大谷総支配人「残された家族をケアする人は今までずっといなかった。話を聞いてあげて、どう寄り添ってこれからどのように進んでいけばいいか支える仕方をお客様に伝えていく」

グリーフケアを行う上で、少しでも悲しみをやわらげるための工夫が会館には施されています。サンレーでは初となる木造邸宅型の建物で、遺族の控え室はホテルの一室を思わせるような空間です。

控室にはキッチンも


大谷総支配人「こちらはキッチン、本当に葬儀会館としては珍しい。亡くなったおばあちゃんがよく作ってくれた豚汁を最後に息子夫婦が一緒に作ったりとか」
また喪主の高齢化が進む中、仮眠室には足腰への負担が軽いベッドを採用しています。大谷総支配人「ここ数年、お客様の要望としてはやっぱりご遺族ご親族が故人を偲ぶ時間を大切にしたいと。充実したリビングや仮眠室をしつらえて時間を提供するというのが形になった」

平均の会葬者数


全国で通夜や告別式に参列する会葬者の平均人数を表したものです。近親者のみの家族葬が増加したことは背景にありますが、おととしは特にコロナ禍の影響もあってか、2013年に比べおよそ3割減っていることが分かります。多くの会葬者が訪れるわけでない今だからこそ、大谷さんは「遺族に寄り添う時間が大切になる」と強調します。
大谷総支配人「愛する人を亡くされた家族の悲しみは非常に大きいので、とにかく思いきり泣いて思いきり故人を偲ぶという姿勢が非常に大事」

葬儀の場で、大切な人を亡くした遺族にどのような声をかければよいのでしょうか。
大谷さんは「つい“泣かないで頑張って”とか“元気を出して”と声をかけてしまいがち。そういった声は遺族にとって負担になるケースもある」としたうえで、「一番は悲しみに寄り添うことが大事。どのような悲しみを持っているのか聞いてあげて、悲しみの本質を見抜くことが大切」だと話します。

葬儀の簡素化が進む今、遺族の悲しみを和らげるうえで故人との“別れの場”はこれまで以上に重要なものとなっています。