12番の目標「つくる責任つかう責任」ゴミの分別やリサイクルなど私たち一人一人の取り組みは、ちゃんと結果に結びついているのか。

環境省の最も新しい試算によると、全国の埋め立てごみの最終処分場が満杯になるまでの残り期間は22・4年とされています。20年あまりの余力しかないわけで、最終処分場をめぐる現状はやはり厳しいものがあります。

一方で、現場は「再利用」というキーワードに向き合い続けています。

埋め立て完了間近 3か所目の最終処分場

“満杯”を見越し新しい最終処分場も運用へ

「ここが3か所目の埋め立て場、平成6年から実際に埋め立て場として開始していて、今年度末をもって埋め立てを完了する」(金沢市戸室新保埋立場・西清彦場長)
金沢市戸室新保にある、3か所目の最終処分場。来年3月までにごみの埋め立てを完了し、その後は土で覆う予定です。

「元々は燃えるごみも埋め立てごみとして埋められてきた経緯があるけど、今それらはちゃんと分別した形で最終的に埋め立てごみのみを埋め立てるという形で、なるべくごみの減量化に努めている状況」(西場長)

この3か所目に代わる新たな最終処分場も同時進行ですでに運用を始めています。

自家用車で粗大ごみを運び込むことができる

埋め立てごみを減らすことで最終処分場は“延命化”できる

記者「現在、戸室新保で運用されている最終処分場は深さはおよそ60メートル。ガラスや陶磁器のほか、家庭から持ち込まれる大型の家具なども捨てることができます」

2020年10月から運用を始めた戸室新保埋め立て場「第4期施設」では家庭から出る粗大ごみを自家用車で底まで運び入れ、自分で捨てることもできます。
「ゴミ捨てできないものあるとやっぱりここで。5~6人の家族だったが、だんだん抜けていくとずっと使わない布団とかある。子供たちが巣立っていくと」(粗大ごみを捨てに来た人)

埋め立て容量は271万立方メートルで、これは東京ドーム2個分に相当します。1か所目から3か所目までの処分場は、あわせておよそ50年間で満杯になりました。4か所目もこれまでの最終処分場とほぼ同じ容量ですが、昔よりは“もちがいい”そうです。
「あと約48年の埋め立て期間を今、予定しています」(西場長)

焼却技術の向上やリサイクルが進むことによって、運び込まれる埋め立てごみの量は年々減少し、最終処分場は延命化されているということです。しかし自治体によって、最終処分場をめぐる状況はさまざまです。

戸室新保の2%程度の埋め立て容量にとどまる

あと15年で満杯…粗大ごみの処理に取り組む羽咋市

石川・羽咋市柴垣町にある「第2埋め立て処分場」の埋め立て容量は6万立方メートルあまり。金沢市の戸室新保と比べ2パーセント程度の容量となるこの場所ですが、埋め立てごみの対象となるエリアは、羽咋市・宝達志水町・志賀町のおよそ2万1千世帯に上ります。

「年々空き家の片づけであったり、やはり令和2年度は緊急事態宣言が発令されて、それによって持ち込み件数も量的にもかなり増えたかなと思う」(羽咋郡市広域圏事務組合・池田希望主事)

圧縮されたアルミ缶

再利用に努めても、埋め立てるしかないごみは…

最終処分場から車で5分程度の場所にあるのが「クリンクルはくい」です。可燃ごみは細かく破砕、乾燥させ不燃物などを取り除くことで廃棄物からなる固形燃料(=RDF)に生まれ変わります。ペットボトルや空き缶も圧縮し再生工場へ、アルミや鉄くずなども細かく破砕し、専門のリサイクル業者に受け渡されます。

一方どうしても再利用できず、最終的に埋め立てごみになるものも。
「ガラスでや陶器類が、主なものかと思う」(池田主事)

埋め立てるしかない?
「そうですね、埋め立てるしかないので…」

桐箪笥を修理する作業員

“限りある処分場のスペースをできるだけ長く使いたい”

このような思いからクリンクルはくいの職員がここ数年力を入れているのは、持ち込まれたごみの再販売です。
記者「持ち込まれたこの高価な桐ダンスですが職人の手によって手直しされ、5000円以下で購入できるように生まれ変わります」

市民が持ち込む粗大ごみの中から、再利用できそうな家具や食器などをピックアップ。緩んだネジを絞め直したりペンキを塗り直したりし、リサイクル品として格安で販売します。
「ちょっと剥げとるところはペンキで塗ったり。意外と出すと早く売れてしまうんで、すごいなと思う」(作業員)

このような取り組みは口コミで話題となり、今ではひと月あたり200点ほど購入されるようになりました。施設の入り口も商品の売り場で埋め尽くされ、さながらリサイクルショップのようです。

新たな取り組みを進めながらも、羽咋市の「第2埋め立て場」はあと15年後には満杯になってしまう見込みです。

福岡大学・田中綾子教授

最終処分場跡地を土地資源に…「ごみの安定化・無害化を」

「新たに最終処分場も自前で作れない、中間処理施設も自前で作れないので、どこかにお願いしないといけない。できるだけ“出す量を減らす”という方向に行かざるを得ないですよね」(福岡大学・田中綾子教授)

30年以上、廃棄物の埋め立てを研究してきた福岡大学の田中綾子教授は、羽咋市での取り組みをこう分析します。
「ごみを出す人も綺麗にして出すじゃないですか、小さな自治体だと。人の目もあるし、やっぱり道徳というか小さい頃からそういった教育受けているわけで。“無駄なものを使わないでもう一回使おう”という精神が養われていますよね」(田中教授)

また田中教授は、最終処分場の跡地を再利用できるスペースにすることを前提として、ごみの無害化に取り組むことが大切だと言います。

「“迷惑施設”だと思わないで、できるだけ安定化・無害化ができるようなごみを出してほしい。モノを使う時もイメージしながらですね。最終処分場の廃止後、アフターケアをどうやって土地資源に変えていったら良いのか、というのを今研究しているところ」(田中教授)

戸室新保で満杯となった最初の埋め立て場跡地は、すでに子どもたちのスポーツ広場として再利用されています。

跡地を次の世代へ受け継ぐために。

処分場の土地自体が再利用されることをよく考え、捨てるごみが有害ではないかという点も、気にかけていかなくてはいけません。