鹿児島市の名山町の飲食店で先月、ぼやがありました。被害の拡大を防ぐため「連係プレー」を発揮した住民らに16日、消防から感謝状が贈られました。

そろいのTシャツで感謝状の贈呈式に出席したのは、堀之内謙さん、上村成美さん、園山小雪さん。名山町で飲食店を営み、13店舗が加盟する「新町飲食店通り会」の会員です。

3人は7月13日午後11時半ごろ、閉店した近所の飲食店から煙が上がっているのに気づき、119番通報。消火器を店から持ち出して初期消火にあたり、延焼を防ぎました。

(通報した園山小雪さん)「煙とにおいと音がするよねと話して、これは火がついているということになり、消火器を持って通報の電話を始めた」

(鹿児島市中央消防署 吉原寛二署長)「常日ごろから交流関係があり、早い対応ができた。隣近所の人と助け合って火の用心に努めてもらった」

火事があった古い木造の建物が密集し、「名山堀」として親しまれる飲食店街です。「昭和レトロ」な街並みが観光客にも人気ですが…
2011年に店舗を兼ねた住宅1棟が全焼し、隣接する3棟の一部が焼ける火事がありました。

(初期消火にあたった堀之内謙さん)「消火器を持っていたのが、うちだけだった。火を消したが、消えなかった。(消火器を)置かないと、二度とあってはならないことだと思った」

当時の経験を教訓に、通り会に加盟するすべての飲食店に消火器を置き、訓練も続けてきました。

(火事を発見した上村成美さん)「(Q.消火器の使い方は分かる?)訓練で使っているので忘れない」

発見、通報、初期消火といざというときに光った3人の「連係プレー」。愛着のある街並みを守るため、地域のつながりと防火への意識を新たにしています。

(通報した園山小雪さん)「みんなつながっているので、関係性ができていることは大きい。当時の話を忘れずに聞き、気を引き締めていかないといけない」