ロシアによるウクライナ侵攻から来月24日で1年です。鹿児島へ避難し、日本語を学ぶウクライナ人の学生3人が鹿児島市の高校生たちと初めて書道に挑戦しました。
鹿児島市の鹿児島商業高校を30日に訪れたのは、ウクライナ出身のヴォロシュチュク・ヴィクトリアさん(20)と、ディシュカント・アンナ・マリアさん(21)。そして、ヴォズニュク・カテリナ・オルハさん(20)です。
通っていたウクライナの大学はロシア軍の攻撃を受け、3人は去年7月に鹿児島市へ避難、専門学校で日本語を学んでいます。30日は鹿児島商業の2年生と一緒に書道の授業に参加しました。
お手本から書きたい日本語を選びます。カテリナさんが選んだのは「空」。
(生徒)「空の意味はスカイ」
(カテリナさん)「駐車場のスペースがある(みんな大笑い)」
筆の持ち方や書き順などを教わった3人は、早速、書道に初挑戦です。
ヴィクトリアさんが選んだのは、好きな言葉のひとつだという「愛」。画数が多くバランスを取るのが難しい漢字に思わず、本音が…。
(ヴィクトリアさん)「もっと簡単な漢字を選んだ方が良い…」
真剣な表情の3人を見て、今度は鹿児島商業の生徒たちが「ウクライナ語」の書道に挑戦。「空」「愛」「花」と同じ意味のウクライナ語を教わり、馴染みのない文字に戸惑いながらも取り組んでいました。
(鹿児島商業高校2年 今村恒志さん)「どんどん上手になっていくのがすごいなと思った。苦しい中で大変だと思うが、笑顔でいられることは素晴らしいと思った。(Q.ウクライナへの興味は沸いた?)すごく沸いた。行ってみたい」
(ウクライナからの3人)「面白かった。みんな優しい」
(ヴォズニュク・カテリナ・オルハさん)「どうやってブラシを持てばいいかわからなかった。書くときはセンター(真ん中)が見つけられない。プッシュの強さも分からない。5・6回書いたけど、あまり好きじゃない。(Q.もっと挑戦したくなった?)頑張る」
先行きが見えないウクライナ侵攻。一方で、互いの文化や言葉に興味を深めた若者たち。遠く離れた鹿児島から一日も早い平和を望んでいます。
3人はもっと日本の文化が好きになったと話していたそうです。ことし秋ごろまで鹿児島で日本語の勉強を続ける予定だということです。