陸上自衛隊とアメリカ海兵隊の共同訓練が、鹿児島を含む全国各地で始まりました。海上自衛隊鹿屋航空基地では日米のオスプレイが飛来し、地元では様々な声が聞かれます。

(記者)「午後4時すぎです。オスプレイ1機が滑走路へ向けて動き出しました」

11日から始まった、陸上自衛隊とアメリカ海兵隊の共同訓練「レゾリュート・ドラゴン」。島しょ防衛を目的に全国各地で行われています。

鹿屋基地は、訓練に参加するオスプレイの燃料補給や整備の拠点となり、これまでに陸上自衛隊の4機と、アメリカ海兵隊の5機が飛来しています。

10日は午後5時までに、海兵隊のオスプレイの離陸が3回、着陸が2回あり、鹿屋市の職員が周辺の高台で騒音を測定する様子も見られました。

訓練期間中、鹿屋市内のホテルでは、アメリカ軍関係者およそ150人が滞在します。鹿屋での大規模な滞在は、アメリカ軍の無人偵察機MQ9が一時配備されていたおととし以来です。

(アメリカ海兵隊)「美しい街で、いい人が多い」「オスプレイが鹿屋にいることで、パートナーの日本と一緒に仕事ができる」

こちらのホテルは、160室のうちおよそ40室にアメリカ軍関係者が宿泊し、ほぼ満室です。

(ホテル大藏 松下拓也マネージャー)「鹿屋市全体として宿泊数が増えているし、外でご飯を食べているので、地域としても飲食店も潤うのではないか」

英語を話せるスタッフが少ないため、朝食や浴場の時間などを書いた英語のカードを作って対応しています。

(ホテル大藏 松下拓也マネージャー)「国際情勢的にも不安定なので、個人としては(日米)連携して平和が続けばいい。抑止力と言っていいのかわからないが」

6年連続となった鹿屋基地での日米共同訓練。急速に進む防衛強化に、懸念を抱く人もいます。

鹿屋市の立元良三さん(95)。鹿屋でのアメリカ軍の空襲や戦後直後の進駐について、体験談を語り継いでいます。

(立元良三さん)「戦争の準備を進められているようで、戦争体験した者として絶対にしてほしくない」「最近慣れてきているというか、市民皆さんの関心がないという気持ちが強い」

今回の訓練では鹿屋のほかに、陸上自衛隊奄美駐屯地や徳之島など県内4か所でレーダーを使った沿岸の監視や物資輸送の訓練などが行われています。訓練は今月25日までです。