現在、日米共同統合演習を行っている自衛隊と在日米軍のトップが14日、鹿児島県沖の護衛艦で共同記者会見を開き、日米の連携強化の重要性を強調しました。

海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」にそろって降り立ったのは、自衛隊の山崎幸二統合幕僚長と、在日米軍のリッキー・ラップ司令官です。

現在、奄美大島や徳之島を含む日本国内と周辺では、日米共同統合演習「キーン・ソード」が行われています。共同記者会見は、キーン・ソードに合わせて鹿児島県の東沖に来ていた護衛艦「いずも」で開かれました。2人は航空機用の大型エレベーターで会見場の格納庫に下りました。

(自衛隊 山崎幸二統合幕僚長)
「我が国最大の護衛艦いずもの艦上で共同で記者会見ができ、ゆるぎない日米同盟の姿を内外に示すことができる」

ステルス戦闘機を運用するために事実上の空母化が決まっている「いずも」。山崎統合幕僚長とラップ司令官は、中国の海洋進出や台湾有事への懸念などを念頭に、「日米の連携強化の重要性」を強調しました。

(自衛隊 山崎幸二統合幕僚長)
「隙の無い防衛体制を確立するため、今回の演習を南西地域で行うことは大変意義がある。(米軍と)手を携えて自由で開かれたインド・太平洋ビジョンを推進し、地域の平和と安定に積極的に貢献する」

(在日米軍 リッキー・ラップ司令官)
「(日米の)抑止力は、これまで以上に必要になっている。我々は挑発的な勢力を抑止するために訓練し、自由を守るために同じ考えを持つ国と協力し続ける」

また今回の演習には、初めてオーストラリア、イギリス、カナダの航空機や艦船が参加していて、その狙いについては…。

(在日米軍 リッキー・ラップ司令官)
「多国間の協力と訓練は、集団的な防衛能力を向上させる」

台湾有事やミサイル発射を繰り返す北朝鮮など、アジアの安全保障について、日米だけでなく国際的な枠組みが重要との認識を示しました。

日米共同統合演習・キーンソードには、自衛隊2万6000人とアメリカ軍1万人、艦艇30隻と航空機370機が参加していて、今月19日まで行われます。