日本の次世代型主力ロケット「H3」の燃焼試験が、7日午後、種子島宇宙センターで行われました。

轟音が響き渡る種子島宇宙センター。7日午後4時半に行われたH3ロケットの燃焼試験です。

「H3」は、JAXA=宇宙航空研究開発機構が今年度の打ち上げを目指して開発を進めている日本の次期主力ロケットです。

現在のH2Aは成功率が97.8%と世界最高水準ですが、打ち上げ費用はおよそ100億円と世界水準より3割ほど高く、衛星打ち上げビジネスの国際競争でネックとなっています。
そこでH3では機体構造を簡素化することで、打ち上げ費用をH2Aの半分、およそ50億円を目指します。

7日に種子島宇宙センターで行われたのは、新型のメインエンジン「LE−9」を含むエンジン全体の燃焼試験。LE−9をH3本体に取り付けて、射場で燃焼試験を行うのは初めてです。

午前7時半からの予定でしたが、試験データを取得する機器にトラブルがあり、7日午後4時に延期されました。トラブルがあったのはエンジン燃焼時の振動などを分析する機器で、「手動電源が入っていなかった」ということです。

その後、他に異常はなかったものの、作業の都合で午後4時半に再延期。2度の延期を経て、燃焼試験が始まりました。7日の試験は打ち上げに向けた最終試験で、20秒あまりにわたって行われました。

JAXAによりますと、「燃焼試験は、おおむね予定どおり終了した」ということで、今後、データが取れているかなど分析を進め、今年度を目指している具体的な打ち上げ時期を決定する方針です。
JAXAは、燃焼試験の結果について記者説明を8日午前に行う予定です。