肥薩おれんじ鉄道の鉄橋の補修工事をめぐる問題です。工事を妨害しているとして出水市は漁協に是正勧告を出していますが、漁協は6日までに提出を求められていた報告書を提出しませんでした。

(出水市 椎木伸一市長)「今回の重大事件に正面から向き合い、公共団体として責任をとらなければならないという自覚もなく組織改善の意思もなければ可能性もなく本当に残念」

出水市によりますと、米之津川にかかる橋の補修工事を計画している肥薩おれんじ鉄道の役員らが、2021年10月、工事契約の内容について漁業権を持つ広瀬川漁協の理事に説明した際、理事が漁業権とは関係のない批判や叱責を繰り返し、午後4時から翌朝6時までの14時間にわたって役員らを拘束したというものです。

この理事はその後も、漁業権とは関係のない理由で鉄道の安全を確保する工事を遅らせているなどとして、出水市は先月21日、漁協に対して、工事を遅らせる妨害行為を行わないことや、理事の解任を求める是正勧告を行いました。

広瀬川漁協は、「対応を協議中」だとしてきょう6日だった報告書の提出期限を今月18日まで延期することを求める文書を、5日になって市に提出したということです。

(出水市 椎木伸一市長)「橋は100年以上経っている、安全運行のために早急に補修工事をしてほしい」「漁協にしかるべきこちらのお願いを聞いてもらい、自ら改善し、改善策を提出してほしい」

6日開かれた市議会への説明で市は、漁協の組合長を呼んで「真意をただす」考えを示しました。また今後、漁協を監督する県に対し指導を要請する方針です。