岩手県出身の作家として初めての快挙です。
全国の書店員が投票で選ぶ文学賞「2025年本屋大賞」が発表され、花巻市出身で県内在住の作家、阿部暁子さんの小説「カフネ」が受賞しました。

全国の書店員が年に1回、「一番売りたい本」を投票で選ぶ2025年本屋大賞の発表会は9日、全国の書店員や出版関係者およそ600人が参加し、東京で行われました。
今回、一次投票には全国488の書店の書店員652人、二次投票には336の書店から441人の投票がありました。

阿部暁子さんは花巻市出身の作家で、2008年に「屋上ボーイズ」で第17回ロマン大賞を受賞し文壇デビューしました。

今回大賞を受賞した小説「カフネ」は、弟を亡くした姉・薫子と弟の元恋人・せつなが、反発しながらも、食べることを通じて距離を縮めていく「食と愛の物語」です。

(阿部暁子さん)
「私たち書き手が一生懸命にいい物語を書き得たなら、これだけたくさんの方たちが応援してくれていることは希望です。いただいた大きな贈り物に報いられるように、これからいい物語を書ける小説家になっていきたいと思います」

出版した講談社によると、2024年5月に刊行された「カフネ」は現在、32万部を突破したということで担当者は「本屋大賞受賞を機に、さらに多くの読者に読んでもらえることを期待しています」と語っていました。