9月30日夜、北海道新幹線の青函トンネルで、列車を運転中の運転士の意識が一時的に低下し、本来の5分の1ほどの低速で走行していたことが分かりました。

低速で走行していたのは、北海道新幹線の午後7時20分東京発新函館北斗行き「はやぶさ39号」です。

JR北海道によりますと、「はやぶさ39号」の運転士は、9月30日午後11時ごろ青函トンネルに入った直後に一時的に意識が低下し、列車は減速しました。

異変に気づいた車掌からの車内電話で運転士は意識を回復したということです。

通常この区間は平均時速160キロほどで走行するところ、時速約36キロまで落ちていたということです。

このため、列車は最大で50秒ほど遅れたとみられていますが、その後、遅れを取り戻し定刻通り新函館北斗駅に到着しました。

乗客50人にけがはありません。

運転士は経験10年以上で、JR北海道の聴き取りに対し「トンネル内で単調な運転だったため意識が低下した」と話しているということです。

JR北海道によりますと、北海道新幹線では、安全を確保する方法として、ATC(自動列車制御装置)を採用していて、先行列車が走行している場合、運転士による機器操作がなくても自動的に手前で停止し、制限速度以上で走行できないシステムになっているということです。

また、上り勾配で自然停止した場合でも、後退を検知すると自動的に停止するしくみで、こうしたことから、運転士に万が一の事態が生じても、ATCにより、列車の衝突事故や脱線事故を防止できるシステムとなっていると説明しています。

JR北海道は「健康や勤務上の問題は確認されていない」としたうえで、全ての運転士に注意を呼びかけ、再発防止を図るとしています。