15日、台風の接近にともない警戒レベル5に相当する「大雨特別警報」が発表された鳥取県では、観光資源にも甚大な被害が出ました。


16日の鳥取県三朝町の温泉街。

キャスター 小崎純佳
「こちら、河原風呂があった場所です。風呂を囲う大きな岩は確認できますが、脱衣所は跡形もなく流されています。」

15日午後には氾濫危険水位に達したという町を流れる三徳川、三朝温泉に宿泊していた観光客は、15日は恐怖を感じながら旅館にこもっていたといいます。

宿泊客は
「かなり怖かったです。帰れなくなってしまうのかなみたいな。」
「川が氾濫したらどうしようと思っていたんですけどギリギリで」

そして、こちらは…

キャスター 小林健和
「私の後ろにある、大きな石や土砂が散乱している場所、もとは河川敷駐車場だったんですけども、駐車場があったのか分からないほど、地面がめくり取られています。」

河川敷駐車場はわずか半日で、この変わりようです。
駐車場のアスファルトのおよそ9割がめくり取られ、駐車場脇にはアスファルトの残骸が残っていました。

さらに…

キャスター 小崎純佳
「鳥取県三朝町穴鴨地区です。あちら橋の一部が崩落しています。」

橋桁の一部、さらには橋桁を支える柱まで崩れ落ちています。
また、橋の下には10メートルを超える大木が流れ着いていました。

そして、被害は旅館の温泉にも。

「ここは自然に湧き出てくるお風呂なんで、実はここまでずーっと水位が上がってきたんです。湯は、川の水が引いたからここまで湯が下がってるんですけど。」

こちらの旅館の温泉は、地下にある自然流出の温泉で、三徳川の水圧を受けて地下から源泉が湧き上がってくる仕組みです。

そのため、川の水位と比例するように、温泉の水位が異常なほど上がってしまったのです。

また、温泉の機械室など地下施設も浸水被害を受けていて、16日も排水作業が続いていました。

この旅館では、2年前の7月豪雨でも同様の被害が出ていて、そのときは復旧までに1週間、復旧費用はおよそ300万円かかりました。

旅館の社長は
「普段は自然の恵みをいただいているので、自然が相手でこれはどうにもならないですけど、復旧させていくっていうのは、これだけの激甚災害を受けると、個人の力ではなかなか難しいところがあります。」

復旧の目処は立っておらず、影響はしばらく続きそうです。