県内の優れたものや取り組みに迫る「キラリ逸品」です。今回は、かみ応えを楽しむパン「ベーグル」。青森市にある専門店を取材しました。開店するとすぐに売り切れる人気の秘密に迫ります。

オーブンから出てきたのは、ドーナツのように丸くて真ん中に穴が開いたパン「ベーグル」。その本場は、アメリカ・ニューヨークと言われ、かみ応えともっちりとした食感が特徴です。その専門店が青森市沖館にあります。「カマンベーグル」は、鎌田なおこさんが2015年にオープンさせました。


          

カマンベーグル 鎌田なおこさん
「青森では(ベーグルは)認知度が低い。名前は知っていても食べたことがないとか、そもそも知らなかったという人もいる。そういう人たちに届いたらいいなと」

ベーグルは、牛乳、バターといった乳製品や卵を使わず、水だけで小麦粉を練り上げて作ります。きれいな形に仕上げるのに欠かせないのが「ねじり」ながら成形するこのひと手間。生地は20時間、冷蔵庫でねかせて発酵させます。どの工程も「食感」を追求するが故です。

鎌田さんとベーグルとの出会いは、今から30年ほど前。旅行会社に勤務していた25歳の頃、同僚からニューヨークのお土産でもらいました。


カマンベーグル 鎌田なおこさん
「食べたことがない。食感も味もふんわりしたパンしか食べていなかった。歯ごたえのあるムギュッとした感じの食感が衝撃的でした」

青森県内には当時、ベーグルを販売している店はなく、どうしてもあの味を忘れられなかった鎌田さん。その時にとった行動とは?

カマンベーグル 鎌田なおこさん
「毎日のように。何時に帰ってもとにかく焼いて寝るっていうのを繰り返して、自分では食べきれないので友人に食べてもらって、“すごくおいしかった”と言ってもらえたのがうれしくて」

仕事をする傍ら、独学で試行錯誤するうちに納得のいく最高のレシピにたどりつくと、少しずつ芽生え始めた目標が自分の店を持つこと。その夢をベーグルとの出会いから20年越しで叶えました。開業から2年後には会社を辞め、いまは、店に専念しています。オープン前の午前3時半。

(Qきょうは何時に起きたんですか)
カマンベーグル  鎌田なおこさん「1時過ぎですね」

焼く前に行うのはベーグルならではの工程。生地に香りやツヤを出すため、糖分を溶かしたお湯にくぐらせる「ケトリング」をしてからオーブンに入れます。



近藤志生里キャスター
「プレーンをいただきます。モッチモチです!この食感クセになりますね。かめばかむほど小麦の味がより濃くなっていくんですよ。何個でも食べられそうです」

次々と棚に並べられていくベーグル。種類は、季節や日によって異なり、この日は全部で12種類。海苔が巻かれた「焼きおにぎり風」や甘納豆、いちじくなどオリジナルメニューが並びます。

カマンベーグル 鎌田なおこさん
「好みは人それぞれ。いろいろな人に食べてもらいたいので、いろいろな種類を作ってみんなに食べてほしい」

午前10時半の開店と同時に買い求める人の姿が。

客「クセになります。冷凍庫にいつも入っていて、なくなるともうないって」「フレーバーの組み合わせも、他のところではないものが多いので組み合わせも楽しみ」「硬いイメージがあってベーグルは敬遠していた。ここのベーグルを食べてイメージが払拭された」

オープンして7年。たくさんのファンができ、早い日は、1時間で売り切れる人気ぶりです。



カマンベーグル 鎌田なおこさん
「いろいろな人に食べてもらえるように、自分の好きなベーグルをずっと作り続けていきたい」

鎌田さんのベーグルには、自らが経験したようにかむごとにその食感や味のとりこになってほしい、そんな思いが込められています。独学でレシピを極めて仕事を辞めてまで店を持ちたいほどベーグルに魅了された鎌田さん、手間を惜しまずに作り上げる情熱はベーグルを通してお客さんにも伝わっていると感じました。営業日はSNSで発信していて今週は6月8日(水)のみですが、11日(土)は青森市のイベントでの販売を予定します。